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認定NPO法人アニマルライツセンター
2020/07/31
動物にとってベターな選択肢を
認定NPO法人アニマルライツセンター

夏、暑い時期になると、囚われている動物たちのことが心配になる。 とくに鶏。
猛暑の日にはバタバタと死ぬ。 もう少し飼育密度を低くしておけば死なずに済むのに、なぜか日本の肉用鶏の養鶏場はとにかく詰め込む。

飼育密度の比較

日本は高温多湿の国であり、他国より飼育密度は低くなくてはならないはずだが、実際には他国よりも飼育密度が激しく高い。

日本の飼育密度の平均値は1㎡に46.7kgであり、これは3kgまで成長させる鶏が1m✕1m四方の範囲に約15羽~16羽入れられているということである。

この平均値には地鶏などの飼育密度が低い飼育場を含んでいるため、やや低く出ている。97%を占めるブロイラーの養鶏場は50kg~56kg/㎡である。これは3kgの鶏を1㎡に16~18羽詰め込んでいるということである。

ブロイラーは通常の鶏とは異なり、体積が大きい。この飼育密度ではかなりギュウギュウな状態になる。

世界は違う。
EUは原則1㎡に33kg以下、ブラジルは平均28kg以下、タイの大手企業は33kg以下である。

飼育密度が高くなると様々な弊害が出る。

蒸し暑くなった日に死ぬだけではない。
飼育密度が一定数を超えると、足が変形しやすくなる。 足裏の炎症、膝裏の炎症が増加する。

炎症と言っても赤くなる程度ではなく、糞尿のアンモニアと摩擦とで真っ黒に焼けただれた状態になる。

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体温も高くなるし、高熱とストレスにより、肝機能障害も起こる。引っかき傷やあざも増える。

しかも、一定の餌の量でより太ることをめざしている養鶏場こそが本来気にするはずの、”飼料効率”も悪くなる。つまり生産性も落ちるということだ。 約34〜38kg/㎡を超えると、これらの悪い影響が増加する。

環境が悪く、ストレス過多な状態で飼育される鶏たちは、ウイルスにも菌にも感染しやすい状態になる。抗生物質とワクチンで殺されるまでの50日間をなんとか生き延びている状態である。
実際、もしこの時殺されなくても、その後ブロイラーたちは数ヶ月以内に多くが死んでしまうのだ。

飼育状況の悪さを反映してか、国産の鶏肉は、外国産の鶏肉よりも多く薬剤耐性菌を保有していることが、厚生労働省の調査でわかっている。

薬剤耐性菌は、肉自体から、環境中から、輸送トラックから、堆肥から、様々な方法で伝播する。肉を切った後のまな板でも繁殖してしまう。

世界中がこの薬剤耐性菌をこれ以上増やさないために必死である。なぜなら、2050年には薬剤耐性菌による死亡者数が、ガンの死亡者数を超えると予測されているためだ。

アニマルウェルフェアに配慮した飼育をすることで、動物たちの免疫力が上がり、抗生物質を大幅に減らすことにつながる。アニマルウェルフェアはそれ自体が病気と薬剤耐性菌の予防になるのだ。

ベターチキンへ

今世界では、ベターチキンコミットメント(ヨーロピアンチキンコミットメントともいう)に賛同し、鶏肉をよりアニマルウェルフェアに配慮されたものに切り替えると宣言する企業が増加している。例えば北米のバーガーキングや、英国のケンタッキーフライドチキンなども宣言をしている企業の1つである(※日本は異なる)。

ベターチキンというのは、飼育密度を30kg/㎡に抑え、とまり木を与え、つつく素材を与え、品種改変されすぎていないより成長が緩やかな品種に変え、屠畜方法をガスで気絶させる方法に変えるというものだ。

日本では、屠畜方法以外は、地鶏(銘柄鶏ではない)が概ね基準に該当する。

完璧ではなくても、ベターな選択をする。完全に苦痛をなくせなくても、生きている間の動物たちのQOLを上げる、そのくらいは、日本でもできるのではないだろうか。

むやみに食べるのではなく、良いものを、少量に変えていく。
週に1日鶏肉から遠ざかる。

そのくらいの選択は、個人には容易にできるのではないだろうか。

まだ多くの人がブロイラーの悲惨で短い一生を知らない。
ぜひ知って、明日の食事から、何にお金を払うのか、考えてほしいと思う。

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