“まず自分で使う”という選択

――今回、太陽光発電を導入された背景について教えてください。

中さん：新築住宅を中心に手がける工務店を営んでいます。自分自身が太陽光発電を使ってみた感想や経験を、お客様によりリアルにお伝えしたい。そんな思いが導入の大きなきっかけでした。個人負担ではイニシャルコストが大きく踏み出しづらい中、東京都の補助金制度の手厚さも後押しとなり、「いつか導入したい」と考えていた計画を実現する形になりました。

――お客様からの反応や現場で感じていることを教えてください。

中さん：東京都では補助金の規模が大きいことから、新築住宅で太陽光発電を設置する施主様が近年増えています。

金額面でのメリットが明確なだけでなく、環境意識の高い施主様も多く、「このパネルの方が、補助金が多く出るのでは？」「発電効率や蓄電池との相性は？」など細かなポイントまで確認される方もいらっしゃいます。

だからこそ、自分自身がしっかり理解していないとお客様の疑問に答えられないと感じ、まずは自分が使ってみて実体験を積みたいと考えました。

ハチドリソーラーとの出会いと、理念への共感

――ハチドリソーラーを知ったきっかけを教えてください。

中さん：最初のきっかけは、知人からハチドリソーラーをご紹介いただいたことでした。その後、シンポジウムなどで池田社長と直接お会いする機会もあり、同社の理念や考え方に触れる中で、強い共感を覚えるようになりました。『ハチドリのひとしずく』という絵本が好きで、お客様にも紹介することがあります。

ソーラーならどこでもよいのではなく、理念や方向性を重視して選びたいという思いがより強くなっていきました。

小さな会社を独学で立ち上げた経験から、「会社も仕事も、結局は人と人との付き合いで成り立っている」という実感が深まりました。一緒に仕事をする相手と価値観が合うかどうかが何より大切で、合わなければ無理に続ける必要はありません。逆に価値観の合う担当者であれば、たとえ違う会社に移っても信頼は続きます。こうした経験から、最終的には“価値観を大切にして選ぶ”という考えに至りました。

――ハチドリソーラーの取扱加盟店になった経緯を教えてください。

中さん：池田社長との関係が続く中で、正式に加盟する前から「もっと早く知っていればお客様におすすめできたのに」と思うほど信頼が深まっていきました。そして2022年6月に取扱加盟店として契約し、今も良い関係でお付き合いが続いています。

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専門分野ごとのプロが連携する、施工までのスムーズな体験

――ご自宅の太陽光発電導入までの流れについて教えてください。

中さん：ハチドリソーラーでは、営業の方だけでなく工事担当の方とも直接的なやりとりがあります。工程ごとに役割が細分化されているため専門家と直接相談できる点は大きなメリットだと思います。特に工事に関する細かな確認は、現場のプロに直接聞けるため話が早く、コミュニケーションも取りやすかったです。

施工は、新築ではない戸建てであれば基本的に1日で完了します。当日は、朝に工事についての説明や配線確認があり、その後、私は仕事で外出して途中で戻り、妻と交代しながら立ち会いました。

現地調査も施工も、どの担当者も説明がていねいで、対応も終始とてもよかったです。しっかり説明してもらえるので安心感がありました。

暮らし方を変える必要性と、導入前に感じていた課題

――ご家族の反応を教えてください。

中さん：私の家族は、エシカルやエコといった価値観に特別強い関心があるわけではありません。ただ、我が家には犬が2匹いて、日中は家を空けることが多いため、寒い季節は床暖房を電気（ヒートポンプ）に交換し、発電している時間帯に床暖房を入れてあげられたら、犬たちも安心して過ごせるのではないかと考えました。

自家消費のメリットが大きいため、できるだけ昼間に家電を使うよう家族には説明していますが、暮らし方は少しずつ変えていけばよいと思っています。

――暮らしの変化についてはどうお考えですか。

中さん：太陽光を効果的に活かそうとすると、どうしても暮らし方を少し変える必要があります。特に課題だったのは、冬場の床暖房で、以前はガスの床暖房をつけっぱなしにしていたため光熱費がかなり高くついていました。夏の冷房はつけっぱなしでも負担はそこまで大きくありませんが、冬場の暖房費が下がれば大きなメリットになると感じていました。

――導入時の懸念や費用感についても教えてください。

中さん：正直なところ費用面の不安はありました。総額で300万円超かかり、補助金で戻るとはいえ、最終的には百数十万円ほどの自己負担があります。それでも、ソーラー部分が約120万円かかるとして、年間15万円ほど電気代メリットが期待できるなら、10年もかからずに回収できる計算です。

さらに、災害時や停電時にも使える安心感を重視し、今回は蓄電池も導入しました。ソーラーだけでは夜間の停電時に電気が使えないからです。費用は決して小さくありませんが、「これは支出ではなく、安心と未来への投資だ」と納得して決断することができました。

一人ひとりの選択が社会を動かす

――ハチドリソーラーをどんな人におすすめしたいですか。

中さん：「個の利益より社会全体の利益」を考えて導入していただける方がもっと増えてほしいと思っています。コストメリットだけではなく、みんなが太陽光で自家消費を進めれば、火力発電に頼るエネルギーを少しでも減らすことができますし、その積み重ねが社会全体にとって大きなプラスになります。

とはいえ、そこまで意識して導入される方ばかりではありません。だからこそ、東京都の大きな補助金を活用できる今がおすすめしやすいタイミングだと感じています。導入のハードルが下がり、結果的に社会にも良い影響をもたらします。興味がある方にはぜひ前向きに検討していただきたいです。

それが「ハチドリのひとしずく」になるのではないかと思います。

昔は地域のつながりといえば、半径数百メートルの中で顔が見える密度の高いものでした。今は何でも揃う大型スーパーが身近になり、便利な反面、地域との関係は希薄になっています。

そんな中で、電気だけでも「原点に戻る」ような、小さな社会をつくることができたらよいと思います。

太陽光発電や蓄電池が各家庭に備われば、家そのものが一つのシェルターのような存在になり、災害時には避難所や学校の体育館へ行かずに済むケースも増えてくるかもしれません。

さらに、自分の家だけで完結するのではなく、太陽光がない家庭にも電気を分け合うような、助け合い・支え合いの関係が地域に生まれたら、とても意義のあることだと感じています。電気を通じて小さな共同体が生まれ、互いに助け合える社会になっていったらいいですね。

家は人生で一番大きな買い物であり、暮らしの内容も大きく変わります。だからこそ、私は心から良いと思えるものだけをおすすめするようにしています。それが、お客様にとっても健全で納得のいく選択につながると考えるからです。

家づくりの最初に必ず尋ねるのは、「どんな家を建てたいか」ではなく、「どんな生活をしたいか」。暮らし方を考える中で、電気は大きな要素のひとつです。生活に必要な安心や便利さ、快適さを支える大切なインフラとして電気をどう活かすかを、これからもお客様と一緒に考えることを大切にしていきたいです。