
太陽電池モジュールとは?仕組み構造選び方を分かりやすく解説
この記事は2025/03/02に更新されています。
太陽光発電などについて調べていると、「太陽光モジュール」といった単語が出てきて、一体なんだろうと頭を悩ませている方はいませんか?
太陽光モジュールとは、太陽光エネルギーを電気エネルギーへと変換する装置のことで、一般的に「太陽光パネル」とも呼ばれます。
この記事では、太陽光モジュールとは何か、基本的な仕組みから種類まで解説します。
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太陽電池モジュールとは?
太陽電池モジュールとは、太陽光をエネルギーに変換する装置のことで、「太陽光パネル」「ソーラーパネル」とも呼ばれます。
太陽電池セルと呼ばれるパーツを組み合わせて1つの大きなパネル状に加工したもので、パネル1枚となったものを太陽光モジュールとも呼びます。
太陽電池モジュールの仕組み
太陽電池セルは、主にシリコンなどの半導体でできており、光が当たると電気を発生させる「光電効果」という現象を利用しています。
<出典:経済産業省 エネルギー庁「電気をつくる方法」>
半導体には、プラスの性質を持つ「p型半導体」と、マイナスの性質を持つ「n型半導体」の2種類があり、2つを重ね合わせることで、光エネルギーを電気エネルギーに変換する仕組みが作られる仕組みです。太陽光がセルに当たると、半導体中で電子と正孔という電気を運ぶ粒子が生成され、これらが移動することで電流が発生します。
電気は直流として作られるため、家庭で使用するにはパワーコンディショナーという機器を通して交流に変換する必要があります。
▼合わせて読みたい!太陽光発電の仕組みについて解説
太陽光発電は、再生可能エネルギーとして注目されており、環境への負荷が少ないことから、持続可能な社会づくりに貢献しています。また、設置後の運用コストが低く、長期間にわたって安定した稼働が見込まれるため、家庭用だけでなく、産業用や大規模な発電所としても利用されています。
太陽電池モジュールは、電気の自給自足や災害時の非常用電源としても重要な役割を果たすのも事実です。自然災害が多い地域や、電気のインフラが未発達な地域での重要な電気の供給源となることが期待されています。
そのため、2025年度には太陽光発電システムの導入が東京都で義務化されるなど、世界的にも注目が集まっています。
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太陽電池モジュールの構造
太陽電池モジュールは複数の部品から構成され、それぞれが連携して電気を作る構造です。主な構成要素は「セル」、「モジュール」、「ストリング」、「アレイ」です。これらがどういった仕組みかを詳しく説明します。
<出典:日本電気協会関西支部>
セル(太陽電池セル)
セルは太陽光発電の基本単位であり、太陽の光を直接電気に変換します。一般にシリコンなどの半導体材料を用いて製造され、光電効果によって電子が動き出し、電流が発生します。
モジュール
複数のセルを接続し、1つのフレームで固定したものがモジュールです。一般的には30枚以上のセルが使用され、ガラスや樹脂で覆われて外部環境から保護されます。
モジュールは、太陽光発電パネルとしても知られ、家庭や商業施設の屋根などに設置されます。
ストリング
ストリングは、複数のモジュールを一列に接続したものです。この接続によって全体の電圧が増加し、効率的に電気を送れるようになります。
太陽光発電システムにおいては、一つのストリングに数十枚のモジュールが含まれることが一般的です。
アレイ
アレイは、複数のストリングをさらに組み合わせたもので、大規模な太陽光発電システムで使用されることがあります。アレイを形成することで、発電容量を大幅に増加させることが可能になります。
大規模な太陽光発電所や商業施設の屋根など、広いスペースを必要とする場所に設置されることが多くなります。
太陽電池モジュールの種類

太陽電池モジュールには、大きく分けて「シリコン系」「化合物系」「有機系」などの種類があります。世界的に活用されているのは「シリコン系」の太陽電池モジュールで、長期にわたって使用されてきた実績があり、信頼性があるのが魅力です。
ここでは、太陽電池モジュールのそれぞれの種類について解説します。
結晶シリコン系
単結晶シリコン
- 特徴: 単結晶シリコンは高純度のシリコンから作られており、発電効率が非常に高い(約15-20%)です。これらのセルは、特有の円形のエッジが特徴的で、色は通常黒またはグレーです。
- メリット: 高効率であり、スペースが限られている場所での使用に適しています。
- デメリット: 製造コストが高いため、他のタイプに比べて価格が高くなりがちです。
多結晶シリコン
- 特徴: 多結晶シリコンは、単結晶よりも製造過程が簡単で、多少の発電効率低下(約13-16%)を伴いますが、コストが抑えられます。色は青みがかった色調が一般的です。
- メリット: 製造コストが低く、単結晶に比べて安価です。
- デメリット: 単結晶に比べると発電効率が若干低くなります。
非結晶系
薄膜系(アモルファスシリコンなど)
- 特徴: 薄膜太陽電池は、非常に薄い光吸収層を用いており、柔軟性があり、軽量なのが特徴です。素材としてはアモルファスシリコン、CdTe(カドミウム・テルル)、CIGS(銅インジウムガリウムセレン)などがあります。効率は一般的に10-13%程度です。
- メリット: 低コストで製造でき、また柔軟性があるため、曲がった面にも適用可能です。
- デメリット: 発電効率が低く、他のタイプに比べると長期的な耐久性が劣ることがあります。
HIT(ハイブリッド)
- 特徴: 単結晶シリコンとアモルファスシリコンを組み合わせたものです。高温時でも発電量の低下が少ない傾向にあり、双方のメリットが組み合わせられています。
- メリット:温度変化に強く、発電効率が高くなっています。
- デメリット:製造工程が複雑で、コストが高いのが課題です。
化合物系
CIS / CIGS
- 特徴: 銅(Copper)、インジウム(Indium)、セレン(Selenium)、ガリウム(Gallium)などの化合物を使用。薄膜型で、製造自体も比較的エコに抑えられます。
- メリット: 比較的製造に必要な資源量が少なく、将来的な量産化に期待が集まっています。
- デメリット:変換効率が少し低く、シリコン系と比べて発電量が少なめなのがネックです。
CdTe
- 特徴:カドミウムテルルを使用した太陽電池です。
- メリット:製造コストが比較的安価で、効率も高くなっています。
- デメリット:カドミウムは有害物質のため、廃棄処理に注意が必要な点がネックです。
太陽光モジュールの変換効率とは?
太陽電池は、太陽の光を直接電気に変換する仕組みです。この際、太陽光エネルギーのすべてが電気に変換されるわけではありません。
変換されて得られる電気量の割合を「変換効率」と呼びます。
変換効率は、以下の式で計算されます。
変換効率(%) = (発電した電気量 / 太陽から受けた光のエネルギー量) × 100
変換効率が高いほど、同じ面積で多くの発電が可能になります。一般的な変換効率は以下の通りです。
種類 | 変換効率 |
---|---|
単結晶シリコン | 14~22% |
多結晶シリコン | 13~16% |
薄膜シリコン | 5~13% |
結晶シリコン系の太陽光モジュールは変換効率が高い一方、薄膜シリコンは低めです。しかし、製造コストが安価なメリットがあります。太陽電池モジュールを選ぶ際は、価格と変換効率の両方から選ぶことが重要です。
太陽電池モジュールの選び方
太陽電池モジュールを選ぶ際には、いくつかの重要な要素を考慮する必要があります。以下に、選び方のポイントをまとめました。
- 発電(変換)効率
- 設置場所と条件
- コスト
- 耐久性と保証
発電(変換)効率
太陽電池モジュールの性能を測る上で、発電効率は最も重要な指標のひとつです。変換効率が高いほど、同じ面積でより多くの電力を生成できます。
一般的に、単結晶シリコンは多結晶シリコンよりも発電効率が高い傾向があります。設置スペースが限られている場合は、高効率のモジュールを選ぶのがベストです。
設置場所と条件
設置場所の日射量や気温などの条件に合わせて、適切な種類のモジュールを選ぶことが重要です。高温になる場所では、温度特性に優れたモジュールを選ぶと出力低下を抑えられます。
また、設置場所の構造体の強度によって、搭載可能な重量に制限がある場合も。軽量なモジュールを選ぶ必要があるケースもあります。
狭いスペースや特殊な形状の場所には、柔軟性のある薄膜系モジュールが適している場合があります。また、積雪量の多い地域では、積雪荷重に強いモジュールを選ぶのもポイントです。
とはいえ、全国的にはシリコン系の太陽光モジュールが選ばれるケースが多くなっています。
コスト
太陽電池モジュールの価格は、種類や性能によって大きく異なります。初期費用だけでなく、長期的な発電量やメンテナンスコストも考慮して、費用対効果の高いモジュールを選びましょう。
なお、太陽光発電システムと蓄電池をセットで導入すれば、国や自治体などの補助金を利用してお得に太陽光モジュールを導入できるケースがあります。実際に補助金対象かどうかは導入するシステムやお住まいの自治体によって異なるため、まずはどのくらい電気代を削減できるのかハチドリソーラーまでお気軽にお問い合わせください。
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耐久性と保証
太陽電池モジュールは、長期間屋外で使用されるため、耐久性が重要です。耐候性や耐腐食性に優れた製品を選びましょう。製品保証の内容も確認し、長期的な安心を得られるメーカーを選ぶのがベストです。
実績のある信頼できるメーカーの製品を選ぶことは、品質と長期的なサポートを確保するために重要です。メーカーの評判やアフターサービス体制も確認しておきましょう。
なお、ハチドリソーラーでは国内で人気を誇る長州産業様のソーラーパネルを活用しており、すべて国内生産による安心感を重視しています。
国内メーカーゆえの品質と信頼性に優れており、一定以上の出力未満になるとソーラーパネルの交換対応にあたるなど、充実した保証が用意されているのもポイントです。
まとめ:太陽光モジュールとは「太陽光から電気エネルギーに変換する装置」のこと
太陽電池モジュールとは、セル、モジュール、ストリング、アレイと階層構造になっている、いわゆるソーラーパネルのことです。太陽電池セルを組み合わせてパネル状に加工して、太陽光発電システムに欠かせない存在となっています。
現在国内で活用されている太陽光モジュールには、大きく分けて結晶シリコン系と非結晶系の2種類があります。
太陽電池モジュールの選び方としては、変換効率はもちろん重要ですが、重量や耐久性なども考慮する必要があります。
項目 | 説明 |
---|---|
変換効率 | エネルギー変換の効率が高いほど発電量が多い |
重量 | 軽量なほど設置が容易 |
耐久性 | 耐久性が高いほど長期間使用可能 |
このように、太陽電池モジュールを設置する際は、さまざまな要素を総合的に判断する必要があります。今後も太陽光発電の需要は高まることが予想されるため、適切な製品選びが重要になってくるでしょう。
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