
【図解あり】太陽光発電の売電の仕組みとは?発電から余剰買取の売電まで解説
この記事は2025/02/05に更新されています。
近年では、自然再生エネルギー設備導入の補助金や、電気代の高騰の影響で、改めて太陽光発電を検討する方が増えているように感じられます。
太陽光発電にはFIT制度もあり、常に一定の固定額で国が電力を買い取ってくれるため、「売電でメリットを得られそう」と考える方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、実際に太陽光発電を導入しようとしたとき、どのように売電されるのか仕組みが分からず、本当に節電につながるのか不安になる方も珍しくありません。
この記事では、太陽光発電の売電の仕組みから、売電収入を考えている方へ向けた売電単価の推移やFIT(固定買取制度)の制度について徹底解説します。太陽光発電を賢く使うポイントについても触れていますので、あわせてご参照ください。
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太陽光発電を売電するまでの仕組みとは?
太陽光パネルを設置後、どのような流れで売電が行われているのか仕組みについて図解でわかりやすく解説します。
ソーラーパネルが太陽光をエネルギーに変換する

太陽光発電システムの心臓部と言えるのが、多数の太陽電池で構成されたソーラーパネルです。
太陽電池とは、太陽光エネルギーを電気に変換する装置のことで、一般的に電池と呼ばれる蓄電装置とは異なります。n型半導体とp型半導体を組み合わせることで、光起電力効果と呼ばれる現象を利用し、発電を行う仕組みです。
太陽光がソーラーパネルに照射されると、n型半導体には負の電荷を持つ電子が、p型半導体には正の電荷を持つ正孔が集まります。これにより電位差が生じ、電子が導線を通って移動することで電流が発生する仕組みです。
これは、光が物質に当たると、そのエネルギーを吸収した電子が物質の外に飛び出す「光電効果」現象を活用しています。端的に言えば、太陽光だけで電力を発電できるため、太陽光発電はクリーンなエネルギー源として注目されています。
使われなかった余剰電力は電力会社へ送られる(売電)

太陽光発電システムで発電された電力は、まず家庭内で消費されます。そして、家庭内で使い切れなかった太陽光発電の電力は「余剰電力」と呼ばれ、電力会社に売却することができる仕組みです。
余剰電力を電力会社に送電することは「売電」と呼ばれます。ただし、売電を行うには、電力会社との契約が必要です。
そのため、太陽光発電システムを導入すればすぐに売電できる仕組みではなく、「系統連系申請」「事業計画認定申請」などさまざまな必要書類を提出する必要があります。内容によっては、太陽光発電を設置した事業者が一部申請手続きを代行してくれます。
太陽光100%分を売電するのは非現実的
太陽光発電は、太陽光という無尽蔵のエネルギーを利用するため、一見効率が良いように思えます。しかし、実際は反射した光や吸収できない性質の光・波長が変換されず、損失が生まれます。変換効率は約20%程度で、風力発電(約30~40%)や水力発電(約80%)と比べると低い数値です。
変換効率とは、投入したエネルギーのうち、どれだけの割合を電気に変換できたかを示す指標です。端的に言えば、太陽光発電は本来の光エネルギー分から20%程度しか電気に変換できません。変換効率だけ見ると、太陽光発電は非効率的のようにも思えます。
しかし、太陽光には一切の燃料等を必要としないメリットがあり、CO”などの温室効果ガスを排出せず、太陽光ひとつで発電できる仕組みは大きな魅力です。また、太陽光発電は、ほかの設備に比べて個人宅にも設置しやすいメリットもあります。
住宅の屋根に設置すれば、環境への影響を少なくして効率的に電気を発電できるため、自然に優しく電力を利用できます。
太陽光発電の売電収入を最大化する仕組みとは
太陽光発電による電力を売電すれば、その分だけ収入を得られます。とはいえ、売電収入は発電量だけでなく、どのような契約・状況で売電するかによっても得られる価格が変化する仕組みです。
2024年時点において、太陽光発電の売電収入を最大化したい場合は、「FIT制度」を利用します。
FIT制度を利用して売電を行う仕組み
個人の住宅用(家庭用は設置容量が10kW未満)の場合、設置してから10年間は、「FIT」と呼ばれる国の制度を使用し売電を行います。端的に言えば、国の決定した固定価格で電力を買い取ることが定められた制度で、2024年時点では通常の販売価格よりも高く買い取ってもらえるのが魅力です。
つまり、FTI制度の期間中は10年間一定の金額で買取を行ってもらうことが可能となり、一定期間は安定した売電収入を得られます。FITの固定買取価格は売電を行ううえで非常に重要なため、買取価格の現状と今後の推移を確認していきましょう。
FIT制度の申請

太陽光発電で売電を行う際はFIT制度の活用が主流ですが、FITを活用する際は申請手続きが必要です。
FTIの仕組みを活用して太陽光発電の売電をするために、具体的にどのような申請が必要か解説します。申請手続きは大きく分けて二つあり、①系統連系申請(接続申請)と②事業計画認定申請となります。
①系統連系申請(接続申請)
系統連系申請は、接続申請とも呼ばれ一般送配電事業者(大手電力会社)が所有する設備に太陽光発電設備を接続するための手続きです。太陽光発電を設置した場所を管轄する一般送配電事業者に対して申請します。
申請してから承諾が出るまでにおおよそ10日〜2週間かかります。エリアや時期によって承諾が出るまでの期間は変動があり、書類の不備等があることで承諾が出るまでにさらに期間を要する場合があるため注意が必要です。
また、各電力会社のエリアにより締切期限があるため注意が必要です。毎年8月下旬〜9月中旬にかけて締切期限が発表されます。
締切期日に間に合わなかった場合、来年度での価格で売電になるうえ、設置も来年度の申し込みが始まってからになってしまう可能性があるため注意が必要です。事前に余裕を持って申請手続きをしていただくことをお勧めします。
申請手続きの代行も承っておりますので、今年度の単価で太陽光の売電を利用したい方は、ぜひハチドリソーラーにご相談ください。
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②事業認定申請
事業認定申請は、経済産業省からFIT制度を利用する設備を認定してもらうための申請です。事業計画認定申請では、設計・施工・運用・管理・撤去・処分など、太陽光発電の導入から廃棄までのサイクルをトータルで確認して審査を行います。
申請してから承諾が降りるまでに1ヶ月〜3ヶ月ほどかかります。時期により承諾が降りるまでの期間は異なる場合が多いです。事前に接続申請を行う必要があり、接続申請と合わせると4ヶ月以上かかるケースもあります。
また、事業認定申請も不備があると承諾が降りるまでにさらに期間が伸びるため、提出の際には注意が必要です。
手続き方法については、経済産業省の電子申請サイトから行う必要があり、事前に書類を集め申請ページより申請を行います。お問合せ窓口もご用意されているため、わからない箇所やご不明点がある場合は、事前の確認が大切です。
>>申請ページはこちらから
接続申請及び事業認定申請は、基本的には設置を依頼する会社にお願いするケースがほとんどです。ハチドリソーラーでも各種申請は弊社が代行して行うため、設置から売電開始まで安心してお任せください。
>>ハチドリソーラーに設置から申請までを任せる
卒FIT後の売電
FIT制度の有効期間は10年間なので、終了後は卒FITとなります。卒FITは、売電ができなくなるわけではありませんが、売電価格がFIT制度利用時よりも下ってしまいます。 現在の各大手電力会社が発表している卒FIT価格をまとめた表をご覧ください。
電力会社 | 売電単価 |
---|---|
東京電力 | 8.50円 |
中部電力 | 7.00円 |
北陸電力 | 8.00円 |
四国電力 | 7.00円 |
中国電力 | 7.15円 |
関西電力 | 8.00円 |
九州電力 | 7.00円 |
北海道電力 | 8.00円 |
東北電力 | 9.00円 |
太陽光発電の売電は、FIT制度が終わる11年目以降、単価が市場価格となり収入が落ち込んでしまう見込みです。ただし、太陽光発電の売電は仕組み上、大手電力会社以外にも電力を売ることができます。
会社により申し込み方法は異なりますが、webや申込書の郵送等で手続きをすることも可能です。 売電可能な業者については経済産業省のページにも記載があります。
>>売電先についてはこちらから
売電単価の推移と売電の今後
太陽光発電と売電の仕組みを活用すれば、売電収入で一定の売上を得ることが可能です。ただし、売電単価は年々安価になってきており、通常の電気・エネルギー代が高騰している背景もあり、売電するよりも自宅で活用(自家消費)する方がお得になるケースも増えつつあります。
ここでは、売電単価の推移と売電の今後について、0円ソーラーを取り扱う「ハチドリソーラー」より詳しく解説します。
売電単価の推移
契約年 | 売電単価(円/kWh) | 太陽光設置費用目安(住宅屋根設置の場合) |
---|---|---|
2009年度 | 48円 | 50 万円~60万円(kWあたり) |
2010年度 | 48円 | 50 万円~60万円(kWあたり) |
2011年度 | 42円 | 50 万円~60万円(kWあたり) |
2012年度 | 42円 | 50 万円~60万円(kWあたり) |
2013年度 | 38円 | 50 万円~60万円(kWあたり) |
2014年度 | 37円 | 40万円前後(kWあたり) |
2015年度 | 35円 | 40万円前後(kWあたり) |
2016年度 | 33円 | 40万円前後(kWあたり) |
2017年度 | 30円 | 40万円前後(kWあたり) |
2018年度 | 28円 | 40万円前後(kWあたり) |
2019年度 | 26円 | 25万円~30万円前後(kWあたり) |
2020年度 | 21円 | 25万円~30万円前後(kWあたり) |
2021年度 | 19円 | 25万円~30万円前後(kWあたり) |
2022年度 | 17円 | 25万円~30万円前後(kWあたり) |
2023年度 | 16円 | 25万円~30万円前後(kWあたり) |
2024年度 | 16円 | 25万円~30万円前後(kWあたり) |
ご覧の通り、FTIによる売電単価は年々下落してきており、太陽光発電の売電収入による仕組みで得られるベネフィットは薄まってきています。
売電単価の今後
太陽光発電システムの設置費用に比例して、売電単価価格も下がる傾向にあると言えます。
そもそも、FIT固定買取制度は国民が費用の負担を抑えて太陽光を導入できるようにと始まった制度のため、10年を目安に設置費用を回収できるように単価設定されています。つまり、設置費用の相場が下がれば、売電単価も下がって当然の仕組み・制度です。
また、以前は全量売電と呼ばれる「発電した電気をすべて売る」ことができましたが、2020年度以降発電したすべての電気を売電することはできなくなりました。
現在は、余剰売電と呼ばれる「発電した電気の30%以上を使用する」ことが必要になります。
設置費用が下がったため設置できる方が増えた一方で、「売電価格が下がっていること」「自宅で使用しないといけない」といった点もあり、売電のみでメリットを得ることは難しくなってきています。
太陽光発電は売電以外の仕組みにも目を向けよう
太陽光発電の設置と売電の仕組みによって、収入を得ようと考えていた場合、単価が落ち込んでいるのを見て導入を尻込みしてしまう方もいるかもしれません。
しかし、近年では一般的な電気代が高騰している背景もあり、自家消費を前提に太陽光発電を導入する方が増加しました。そのため、太陽光発電の導入は売電以外の仕組みにも目を向けることで、お得な生活を送りやすくなります。
ここでは、太陽光発電における売電以外のメリットを解説します。
太陽光発電を自家消費する経済的なメリット

上記の画像は、「売電できた額」よりも「自家消費で賄えた額」が上回った事例です。つまり、太陽光発電で売電するよりも、自家で消費したほうがより多くの経済的メリットを得られる事例と言えます。
このようになる理由は、さまざまな背景による電気代の高騰です。たとえば、2024年10月時点において、東京電力エリアでは1kWhあたり29.8円~の単価になっています。FIT期間中は1kWhあたり16円で売電できる仕組みなものの、購入単価よりも下回っているのが現状です。
つまり、電気を売る単価より、電気を購入する価格の方が高い状況が続いています。そのため、太陽光発電の売電量を増やすよりも、自家消費を増やす取り組みのほうが太陽光発電のメリットを最大化しやすくなるのがポイントです。
売電よりも自家消費でメリットが出やすい人の特徴
メリットが出やすい方には、下記のような傾向があります。
- 太陽光が発電する日中(8時-17時に)在宅する傾向があり、電気を使用する割合が高い(リモート・育休中・専業主婦などの方がいる)
- ペットを飼っていて夏や冬は空調を稼働する割合が高い
- 電気代が15,000円を超える方、日中に電気を使用することが多い
売電よりも自家消費でメリットを得やすい人の特徴は、何よりも自家消費の量です。日中使用量が多く電気代が高い方は、太陽光で発電した電気で日中の電気を賄えるため電気代が夜のみで済みます。
また、太陽光パネルで発電した電気には再エネ賦課金がかからず、さらに電気代を抑えることが可能です。電気代を抑えながら、余った電気を効率よく売電し月々の支出を減らしていく方法がおすすめです。
<お役立ちコラム>
〜再エネ賦課金について〜
皆さんが購入している電気代には、国が自然エネルギーを増やすために皆さんの電気代から集めているお金「再エネ賦課金」が含まれています。
2023年5月から2024年4月の再エネ賦課金は1.40円/kWhなので、月々450kWhを使うご家庭の場合、再エネ賦課金分で年間7,560円支払うことになります。
この再エネ賦課金は、これまで増加していましたが、2023年5月から1kWh当たりの金額が下がり、各家庭への請求額もこれまでより引き下げられました。
この背景にはロシアのウクライナ侵攻があります。
電気の市場価格が高騰し、太陽光発電などの再エネ電気も以前より高く取り引きされるようになったことから、再エネ賦課金が下がりました。
2030年には1.24円/kWhになるといわれています。
ただし、また再エネ賦課金が上がる可能性もあるとのことで、今後の動向についてはなかなか読めない状況です。
そのため太陽光で発電した電気を自家消費することで、買う電気をできるだけ減らせて電気代の削減につなげることができます!
参照:
経済産業省 再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2023年度以降の買取価格等
2023年度の賦課金単価を設定します
NHK 電気料金が安くなる 再エネ賦課金とは
太陽光発電は自家消費と売電を組み合わせた活用がおすすめ!
今後の売電の位置付けは、自家消費して余った電気を月々の支出を減らすためのプラスαとして考えることがポイントです。FIT制度を使用し、10年間高く買い取りしてもらった後は、売電よりも、自家消費をするにはどうすべきかを考えていく必要があります。
そこで、太陽光発電の売電における仕組みを最大化するのにおすすめなのが「蓄電池」や「V2Hシステム」の導入です。
発電の自家消費で余った電力を自動的に売電してしまう仕組みよりも、太陽光発電分を貯めて自産自消できる環境を構築することで、より経済的かつ環境にも優しいなどさまざまなメリットを生み出しやすくなります。
さらに、蓄電池を太陽光発電とセットで導入する場合は、国の補助金を活用できる場合があります。
詳細は下記記事でチェック!
ハチドリソーラーでは、太陽光発電システムの設置はもちろん、蓄電池やV2Hシステムを併用して導入することも可能です。また、初期費用を0円で設置できる「0円ソーラー」も提供しており、通常かかる100万円以上のコストを0円に抑えられます。
発電した電気は使い放題で、自家消費や売電した電気も得られるほか、契約期間中でも蓄電池やVHシステムを後付けできるのも魅力です。FIT終了後、後付けすることも可能となっております。
よりお得に太陽光発電システムを導入できる可能性が高まるため、売電の仕組みや自産自消に関心のある方は、ぜひハチドリソーラーまでお気軽にお問い合わせください。
まとめ 〜太陽光発電を賢く使うためのポイント〜
今回は、太陽光発電の売電から仕組みについて解説しました。一昔前は太陽光発電の売電によって際立った収入を得られましたが、通常の電力量料金が上がっている背景もあり、近年では「売電よりも自産自消」の方がお得になるケースが多くなっています。
そのため、売電の仕組みが気になっている方は、下記のポイントをチェックして、よりお得に活用できないか振り返るのをおすすめします。
- 発電した電気はできるかぎり自家消費に回して電気代を抑える
- 蓄電池やV2Hシステムを導入して電気を溜め、夜間に使用する
- エコキュートなどは日中にお湯を沸かすように設定し発電した電気で賄えるようにする
発電した電気は自家消費することを重点的に考え、余った分の売電でプラスαの収入として考えることが大切です。現在において、太陽光発電の売電に注力する仕組みは、一般家庭にはあまり向いていないと言えるでしょう。
ハチドリソーラーでは、太陽光パネルとセットで蓄電池やV2Hシステムも導入することが可能です。ご相談いただければ、お客様一人ひとりに最適な提案をさせていただくほか、ご満足いただけるようさまざまなサポートをご提供いたします。
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ハチドリソーラーは、地球温暖化を解決するために環境負荷を最小限にして自然エネルギーを増やすために立ち上がった発電事業です。大規模な発電ではなく住宅や企業の屋根から環境に配慮した発電方法で自然エネルギー100%の会社を目指しています。
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