太陽光パネルの処分はどうやる?処分方法や費用、注意点について
最終更新日 2024年5月28日
はじめに
太陽光パネルを既に設置していたり、導入を検討していたりする場合、壊れてしまったり、買い換えたいときに太陽光パネルの処分の仕方についてどうすればいいか悩む方も多いと思います。
太陽光パネルの設置は、自然エネルギーの普及を進めていくうえで大切な手段ですが、太陽光パネルの寿命や劣化が起きた際の廃棄方法には、特別な注意が必要です。
ここでは太陽光パネルの処分において大切なポイントを詳しく解説します!
太陽光パネルの廃棄物の分類と処理
太陽光パネルの処分にあたって、廃棄物の分類と処理が必要になるシーンについてご説明します!
太陽光パネルの廃棄分類
太陽光パネルの廃棄物は一般的には産業廃棄物として分類されます。
これは太陽光パネルが多くの場合、商業的または産業的な用途で使用されることが多いためです。これは、太陽光パネルが個人の住宅などで利用されることもあるためです。
処分が必要になる時
太陽光パネルの処分が必要となる主なケースは以下の通りです。
①法律上の耐用年数が経過した時
法律上の耐用年数は17年と定められていますが、実際には太陽光パネルの寿命期間はそれよりも長く、約30年と言われています。そのため、パネルが故障しない限り長期的に利用が可能ですが、ご家庭の事情で撤去する際は廃棄または中古パネルとしての販売が必要になります。
②住宅の解体やリフォームをするとき
住宅の建て替えや大規模なリフォームを行う際、太陽光パネルを撤去する必要があります。特に、屋根の形状や構造が変わるリフォームの場合は、既存のパネルが適合しなくなる可能性があります。
適合する場合には再度設置が可能です。
③パネルが故障した時
長年の使用による自然な摩耗や故障が原因で、太陽光パネルを処分する必要が生じることがあります。特に電子部品の故障や構造上の問題が発生した場合、修理よりも交換が適切な選択となることがあります。
④自然災害によってパネルに損傷を受けたとき
地震、台風、豪雨などの自然災害により、太陽光パネルが物理的に損傷を受けることがあります。特に、屋根の上に設置されているパネルは、落下や破壊のリスクに晒されやすいです。
太陽光パネルは意外と長持ち?
太陽光パネルの普及はここ数年で広まったため、現状は廃棄の仕組みや体制はまだまだ改善するべき点が多いのが現状です。
一方で、太陽光パネルの寿命は前述したように約30年と、意外と長持ちします!
太陽光パネルを長く大切に使い続けることが大切!
太陽光パネルを設置してもすぐに処分せざるを得ないのでは?と感じるかもしれませんが、通常は約30年程の寿命があるため、次の長持ちさせるコツを実践して大切に太陽光パネルを使うことがおすすめです!
太陽光パネルを長持ちさせるコツ
太陽光パネルの保証が充実しているメーカーやサービスを選ぶ
保証期間が長く、保証内容も充実しているメーカーやサービスを選びましょう!保証の適用期間内であれば、万が一、太陽光パネルに不具合が起きても無償で修理・交換できるので、実質保証適用期間内での定期点検・メンテナンスコストは不要になります。
信頼できる施工会社を選ぶ
施工品質は非常に重要で、しっかり施工が行われなかったために、接続部のゆるみによって発火してしまうといった事例も発生しています。
信頼できる施工会社を選ぶポイントの1つは、各パネルメーカーが発行している「施工ID」を保有しているか、になります。ただし、施工会社選びは専門性が高く難しい場合には、ぜひお気軽にハチドリ太陽光にお問い合わせください!
発電量をこまめに日々確認する
日々の発電量をカラーモニターや、スマホで確認することで故障や不具合に気付ける場合があります。異変に早く対処することで被害をできるだけ抑えることができるため、おすすめの方法です!
パワーコンディショナーを定期的に掃除する
パワーコンディショナに埃がたまると、故障の原因になるため、定期的にささっと拭くだけでも、パワーコンディショナを長持ちさせることに繋がります。
太陽光パネルの寿命と耐用年数について、こちらで詳しく解説しています!ぜひ併せてご覧ください。
太陽光パネルの処分方法
これまで太陽光パネルを長く使うコツについてお伝えしてきましたが、どうしても太陽光パネルを処分する必要がある場合もでてくるかと思います。処分方法は大きく以下の3つに分けられますが、まずはリユースして再活用することがとても大切です。
リユースする
リユースは、使用済みの太陽光パネルをそのまま、または最小限の修理・改修を行った上で再利用する方法です。これは最も環境に優しく、資源の無駄遣いを防ぐため、廃棄を選択する前に再活用できないか一度考えてみることが大切です。
例えば、パフォーマンスは下がっているがまだ機能する太陽光パネルを、小規模なプロジェクトや発展途上国での電力供給に再利用することができます。
リサイクルする
リサイクルは、太陽光パネルを分解し、その材料を再利用する方法です。しかし、日本国内でリサイクルを行う体制がまだ整っていないため、リサイクルコストが高いとされています。
しかし、最近ではリサイクル技術も段々と上がってきており、今後は他の資源と同じように太陽光パネルのリサイクルの仕組みができるようになると考えられます。
一部だけ埋立処分する
埋立処分は、太陽光パネルで一部リサイクルができないものを(有害物質を含む等)埋め立て処分する必要があります。しかし最近では、太陽光パネルを100%リサイクルすることに取り組む企業も出てきています。
参照:
「太陽光パネルの銀や銅もほぼ100%回収、ガラスの「水平リサイクル」も視野に」日経BP メガ太陽光ビジネス
「太陽電池パネルの適正処理・リサイクルについて 」一般社団法人 太陽光発電協会
太陽光パネルのリユースにおける課題
ハチドリ太陽光では以前「リユースパネルの取り組み」に挑戦しました。
具体的に、中古の太陽光パネルを集めて、メンテナンスを施し、再度補償をつけて、お客様に提供することを検討しました。ですが、進める中で以下の課題がありました。
リユースパネルの供給が不安定
いつどこでどのくらいの量が不要な太陽光パネルとして出てくるか予測が立てられないため、太陽光を設置したいお客さまの需要に供給側で調整ができない。
リユースパネルの価格が高い
国内の製品品質に合わせようとすると、しっかりメンテナンスして補償をつけないと販売する必要がありますが、その実現には多額の費用がかかってしまい、新品とほとんど変わらない提供価格になってしまう。そこで、私たちは今後、中古の太陽光パネルのマーケットをどのように作るか?がとても大切だと考えています。太陽光パネルは強度があり、丈夫なためセカンドマーケットで販売し、リユースする仕組みを作れれば廃棄を大きく減らすことができると感じています。
太陽光パネルの処分時の課題
まだまだ太陽光パネルの処分には課題があるのが現状です。
有害物質の管理
太陽光パネルの処分において、含まれる有害物質の管理は重要な課題です。
- 含有物質: 太陽光パネルにはカドミウム、鉛、セレンなどの有害物質が含まれていることがあります。これらの物質は環境や人の健康に害を及ぼす可能性があるため、廃棄の際には特に注意が必要です。
- 適切な取り扱い: これらの有害物質を含むパネルは、特別な処理が必要です。有害物質の適切な処理は、環境への影響を最小限に抑えるため、また健康リスクを防ぐために不可欠です。
処理施設の問題
産業廃棄物の処理施設の容量に関する問題も考慮する必要があります。
- 施設のひっ迫: 既存の産業廃棄物処理施設はすでにひっ迫しており、今後はさらに増加する太陽光パネルの廃棄量に対応することが難しい状況にあります。
- 予想される廃棄量: 将来的には年間約800,000トンの太陽光パネルが廃棄されると予想されています。この大量の廃棄物を処理するには、追加の施設や新しい処理技術が必要となると言われています。
粉砕処理
太陽光パネルの廃棄プロセスには粉砕処理が含まれることがあります。
- 粉砕の必要性: 太陽光パネルはその大きさや構造のため、廃棄する際には粉砕処理が必要になる場合があります。
- 処理場での問題: ただし、一般のゴミ処理場ではこのような粉砕工程を行っていないため、太陽光パネルの処理は特別な施設や方法が必要となります。これは廃棄物処理の現場での大きな課題となっています。
撤去費用の相場
太陽光パネルの撤去に関する費用は、様々な要素によって決まります。
- 総額の相場: 撤去作業にかかる費用の相場は、作業費、人件費、足場設置代を含めておよそ10万円から15万円程度です。ただし、この金額はあくまでも一般的な目安であり、具体的な費用は撤去する太陽光パネルの数量や条件、作業の複雑さによって異なります。
- 費用の内訳: 撤去費用には、作業員の人件費、足場の設置と撤去に必要な費用、および廃棄物としての処分費が含まれます。
- 追加の可能性: また、屋根の修理や補修が必要な場合は、追加の費用が発生することも考慮する必要があります。
処分する前にちょっと待って!太陽光パネルの再利用
FIT制度満了後も、蓄電池やV2Hシステムと併用して非常用電源として活用できます。
- 非常用電源としての利用: FIT制度終了後でも、パネルは蓄電池やV2H(Vehicle to Home)システムと組み合わせて、非常用電源や家庭用電源として活用することが可能です。
- 蓄電池の利点: 蓄電池を導入することで、発電した電力を蓄えて、必要な時に使用することができます。これにより、太陽光発電の効率と利便性が向上します。
- V2Hシステム: V2Hシステムを利用することで、電気自動車を家庭の電源として使用することも可能になります。これは特に災害時の非常用電源として有効です。
これらのポイントは、太陽光パネルの廃棄に関する意識を高め、適切な処理方法を促進するために重要です。持続可能なエネルギー利用の一環として、これらの情報を広く共有することが望まれます。
ハチドリ太陽光での太陽光パネルの処分方法
太陽光発電事業者として、太陽光パネルの処分問題は力を入れて取り組むべきと考えており、より多くの方に「環境のために太陽光パネルを設置したい」と思っていただけるよう、ハチドリ太陽光は最大限環境に配慮した発電事業者であり続けたいと思っております。
太陽光パネルの処分や廃棄を無くすためにも、設置したお客様にできるだけ長く使ってもらえるよう、補償を充実させてご提供しています。
また、ハチドリ太陽光としても太陽光パネルのリユースの仕組みづくりに今後取り組み、できるだけ環境にやさしい形での廃棄を実現したいと考えています。
例えば、撤去後の太陽光パネルを検査し、発電可能量が一定基準値を超えるパネルは、自社の発電所などでリユースすることや、一方でどうしてもリユースパネルとしての利用が難しい場合については、最大限環境に配慮した方法でリサイクルできるよう全国のリサイクル事業者様と提携していく方針です。
まとめ
日本での太陽光パネルの設置はここ数年で取り組まれているため、既に太陽光パネルの廃棄を行ったことがあるご家庭は少ないのが現状です。しかし、太陽光パネルの平均的な寿命は約25〜30年であることから今後、処分や買い替えなどを行う必要が出てきます。
太陽光パネルのリサイクルや環境への負荷を抑えた廃棄方法は日々検討されているため、処分が必要になった際にはみんなで社会や環境に配慮した方法を選択していきましょう!
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