
蓄電池のみを太陽光なしで設置できる?メリット・デメリットや節電効果を解説
この記事は2025/05/27に更新されています。
一般的に、家庭向けの蓄電池は「太陽光発電設備」とのセット導入が多くなっています。しかし、「屋根の形状や耐久性といった設置条件」「初期費用のコスト負担が重い」などの理由により、太陽光発電システムと蓄電池のセット導入を見送る方も少なくないでしょう。
結論から言えば、蓄電池のみを太陽光なしで設置することも可能で、実際に導入しているユーザーもいます。
この記事では、「太陽光なしで家庭用蓄電池を導入したい」とお考えの方に向けて、単独で蓄電池を設置するメリット・デメリットを解説します。
蓄電池単体で得られる電気代削減効果のシミュレーションや、太陽光とセット導入したときの違いについても触れていますので、あわせてご参照ください。
▼太陽光発電で電気代をいくら削減できる?たった30秒で目安が分かるシミュレーション!
SIMULATION

【結論】太陽光なしでも蓄電池のみを設置できる
太陽光なしでも、蓄電池は単体で設置・運用が可能です。電力会社から購入した電気を蓄電池に充電して必要なときに使えるため、太陽光パネルが設置できない住宅や将来的に太陽光発電を検討している方でも導入できます。
屋根の形状や耐荷重の関係で太陽光パネルが設置できないお家でも、蓄電池のみを設置することで間接的に電気代を抑えたり、万が一の非常用電源として活用したりできるのがメリットです。
自宅の状況やライフスタイルに合わせて、最適な蓄電池を選定すれば、蓄電池単体の導入は十分に魅力的な選択肢となります。
太陽光なしで設置できる蓄電池の種類
太陽光なしでも蓄電池は設置できますが、太陽光発電とセットで導入するかどうかによって、推奨される蓄電池の種類も異なります。蓄電池には大きく分けて以下の3種類が存在します。
- 単機能型蓄電池(蓄電池のみ)
- ハイブリッド型蓄電池(太陽光あり)
- トライブリッド型蓄電池(太陽光&EV)
なかでも、太陽光なしを検討されている方におすすめなのが「単機能型の蓄電池」です。
単機能型蓄電池(蓄電池のみ)
単機能型蓄電池とは、太陽光発電設備がなくても設置・運用できるタイプの蓄電池で、「太陽光なしで蓄電池を設置したい」といった方におすすめです。蓄電池専用のパワーコンディショナを搭載しており、独立して稼働するため、蓄電池単体で電気を充電・放電できます。
夜間の割安な電力を蓄電池に貯めて、昼間や停電時に使うなど、太陽光発電がなくても蓄電池単体で柔軟に活用できるのが魅力です。また、単機能型蓄電池は、ハイブリッド型・トライブリッド型より費用を抑えられるのも特長のひとつ。
ただし、将来太陽光発電を追加する場合は「蓄電池」「太陽光発電」のそれぞれでパワーコンディショナを設置する必要があり、コスト増や変換効率低下といった点がネックになります。
「蓄電池のみを太陽光なしで導入する」と明確に定まっている場合は、単機能型蓄電池が選択肢に上がります。
パワーコンディショナとは、そのままでは利用できない直流電力を、家庭で使用できる交流電力に変換する装置のこと。
ハイブリッド型蓄電池(太陽光あり)
ハイブリッド型とは、太陽光発電と蓄電池を一体で制御できるタイプの蓄電池です。パワーコンディショナが太陽光発電と蓄電池の両方を制御し、効率的に電力を管理できます。1つのパワーコンディショナで双方の電力を管理するため、変換効率への影響を抑えやすいのが魅力です。
変換効率の影響を抑えてロスを少なくできるため、家庭内で効率よく自家消費できるようになり、電気代削減効果が高まります。太陽光発電と蓄電池を同時に導入する場合は、ハイブリッド型が経済的・効率的です。
トライブリッド型蓄電池(太陽光&EV)
トライブリッド型とは、蓄電池・太陽光発電・電気自動車(EV)を一体で制御できるタイプの蓄電池です。1台のパワーコンディショナで、太陽光・蓄電池・EVの電力を最適に管理し、停電時にもEVバッテリーを家庭用電源として活用できます。
太陽光で発電した電気をEV車バッテリーに蓄えたり、停電時にEV車から家庭に電力供給するなど、多様なエネルギー運用が可能です。特に、EV車は大容量のバッテリーとしても活躍するため、万が一の停電・災害時も一定期間安定して電気を供給できます。
一方で、EV車を所有していない場合は機能を活かせないため、単機能型・ハイブリッド型の蓄電池が選択肢に上がります。
このため、EV車を所有している家庭や、将来的にEV車の導入を検討している方には、トライブリッド型の蓄電池がもっともおすすめな選択肢だと言えるでしょう。
太陽光なしで蓄電池のみ設置するメリット
太陽光なしで蓄電池を設置すると、以下のようなメリットを得られます。
- 導入の初期費用が割安になる
- 太陽光設備との相性を気にせず製品を選べる
- 電気代の削減効果が期待できる
- 全負荷型モデルなら停電時も快適
ここでは、蓄電池を単体で設置するメリットについてそれぞれ解説します。
導入の初期費用が割安になる
太陽光発電とセットで導入する場合と比べて、蓄電池単体の導入は初期費用が抑えられます。太陽光パネルやハイブリッド型パワーコンディショナが不要なため、設備コストと工事費が低くなるのが魅力です。

出典元:三菱総合研究所「2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ」
たとえば、補助金事業を除いて家庭用蓄電池を導入する場合、設備費は15~20万円/kWh、工事費は2万円/kWh程度が標準的な水準だとされています。10kWhの蓄電池を導入する場合、本体価格は150~200万円程度が相場です。
しかし、太陽光発電設備もセットで導入する場合は、追加で約20~30万円/kWhのコストが掛かります。太陽光パネルを取り付けないことで数十万~数百万のコストを浮かせられるため、初期の導入費用を抑えたい場合は蓄電池単体での設置が現実的です。
太陽光設備との相性を気にせず製品を選べる
太陽光なしの蓄電池単体なら、太陽光発電システムとの互換性やパワーコンディショナの仕様を気にせず、自由に製品を選べるのもメリットです。
太陽光発電と連携する場合はパワーコンディショナの種類や回路数などの相性問題が発生しますが、単機能型ならその心配がありません。
後付けで太陽光発電を導入する場合も、蓄電池の機種選定や設置の自由度が高くなります。製品選びの幅が広がるため、自宅に最適な蓄電池を選べるのが魅力です。
電気代の削減効果が期待できる
深夜の割安な電力を蓄電池に充電し、昼間に使うことで電気代の節約が可能です。時間帯別料金プランを利用している場合、夜間の安い電気を蓄電池に貯めて、昼間の高い電気代を回避できます。
たとえば、東京電力の「夜トク8」プランなら、深夜帯(23時~翌7時)の電気を蓄電池に充電し、日中に使えば割安な電気代でカバーできるようになります。オール電化住宅や時間帯別料金プランの家庭では、蓄電池単体でも十分な節電効果が期待できるのがメリットです。
ただし、太陽光なしで蓄電池のみを導入すると、太陽光発電とセットで導入した場合に比べて、電気代の削減効果は限定的になる点にに留意が必要です。
全負荷型モデルなら停電時も快適
災害などにより停電が発生した際、蓄電池がどのように電力を供給するかは非常に重要なポイントです。蓄電池の稼働方式には、主に以下の2種類があります。
- 全負荷型:家全体の電気をカバー
- 特定負荷型:あらかじめ選んだ一部のコンセントや家電のみを対象
そこで、全負荷型の蓄電池を導入すれば、停電時に家全体の電気をバックアップできます。「停電時でも普段と変わらない生活を送りたい」「太陽光発電システムと連携させて、より多くの電力を活用したい」「電気代の削減効果を最大限に高めたい」といったニーズにおすすめです。
ただし、特定負荷型に比べて導入コストが高くなる傾向がある点には注意が必要です。さらに、電力の消費量も多くなるため、「万が一の補助電源」として活用するとき、容量がすぐに尽きてしまうかもしれません。
たとえば、「冷蔵庫 (450L)の消費電力は250W」です。「250W ×20時間 ÷1000=5kWh」となり、蓄電池の実効容量5kWhがあれば、停電時も20時間ほど冷蔵庫を問題なく運用できる計算となります。
しかし、ほかにもさまざまな家電を同時に動かすと、蓄電池容量が10kWh分あってもすぐに尽きてしまう可能性もあります。「災害時にスマホや特定の家電だけを動かしたい」と太陽光なしで蓄電池を導入する場合は、特定負荷型を選ぶのも選択肢のひとつです。
「10kWhを超える大容量の蓄電池を導入する」「自宅で使っている家電がそこまで多くない」「冷蔵庫の中身を腐らせたくない」「ペットのために停電対策したい」など、利用者によってニーズはさまざまです。
ピンポイントで電力を確保したいのであれば特定負荷型、自宅全体の生活環境を維持したいのであれば全負荷型など、ライフスタイルやニーズに見合った蓄電池を選ぶ必要があります。
太陽光なしで蓄電池のみ設置するデメリット
太陽光なしで蓄電池を設置してもさまざまなメリットが得られる一方で、以下のようなデメリットも存在します。
- 太陽光設備と後々連結する場合は効率が悪くなる可能性も
- 長時間の停電には対応できない
ここでは、太陽光なしで蓄電池のみ設置するデメリットについて解説します。
太陽光設備と後々連結する場合は効率が悪くなる可能性も
単機能型蓄電池を後から太陽光発電と連携させると、変換ロスが多く効率が悪くなる場合があります。パワーコンディショナが2台必要になり、電力変換時のロスが増えるため、ハイブリッド型やトライブリッド型よりもエネルギー効率が下がります。
太陽光発電と蓄電池を別々に設置した場合、システム間の連携が最適化されず、せっかく発電した電気を効率よく使えないリスクも。現在は太陽光なしでも、将来的に太陽光発電の導入を考えている場合は、最初からハイブリッド型やトライブリッド型蓄電池の導入をおすすめします。
長時間の停電には対応できない
太陽光発電システムがない場合、蓄電池に蓄えた電力だけでは長時間の停電に対応しきれないリスクがあります。蓄電池の容量には限りがあるため、停電が長引けばいずれ電力を使い果たしてしまいます。
太陽光発電があれば停電中でも陽の光を浴びることで蓄電池を充電できますが、蓄電池単体では大容量モデルでも数日分の電力しか賄えません。災害時の停電対策を重視する場合は、太陽光発電と蓄電池の併用がおすすめです。

【節電効果シミュレーション】太陽光なしで蓄電池のみを設置した場合の電気代削減効果
一般的な4人家族の電力消費パターン(月間400kWh使用)を想定して、割安な夜間電力を蓄電池に充電し、割高な昼間時間帯にその電力を使用すれば、どれだけ電気代がお得になるかを簡易的な条件で試算できます。
ここでは、東京電力の「夜トク8」プランを利用して、10kWhの蓄電池を導入した場合の電気代削減効果についてシミュレーションします。
月間の電気代削減効果(目安)
導入前の電力量料金 – 導入後の電力量料金「約15,724円-約13,636円=約2,088円」
月々約2,000円、年間で約25,000円ほどの節約効果が期待できます。
シミュレーションの試算条件
- ご契約プラン: 東京電力「夜トク8」
- 昼間時間(午前7時~午後11時): 42.60円
- 夜間時間(午後11時~翌午前7時): 31.64円
- ご家庭の状況: 4人家族
- 月間総電力消費量: 400kWh
- 電力消費パターンの仮定:
- 昼間時間帯の消費割合: 70% (月間 280kWh、1日あたり約9.33kWh)
- 夜間時間帯の消費割合: 30% (月間 120kWh、1日あたり約4.00kWh)
- 導入する蓄電池:
- 蓄電池容量: 10kWh
- 充放電効率: 90%
- 運用方法: 電気代の安い夜間に充電し、昼間の9.33kWh電力消費を賄う
【導入前】蓄電池の月間電気代(電力量料金の目安)
- 昼間料金: 280 kWh×42.60円/kWh=11,928円
- 夜間料金: 120 kWh×31.64円/kWh=3,796.8円
- 合計電力量料金(導入前): 11,928円+3,796.8円=15,724.8円
【導入後】蓄電池の月間電気代(電力量料金の目安)
- 蓄電池による昼間電力の代替:
- 1ヶ月間で蓄電池から供給する電力量(昼間消費分を代替): 280 kWh
- 上記 280 kWh を蓄電池で供給するために、夜間に充電が必要な電力量(効率90%を考慮): 280 kWh/0.9=約 311.11 kWh
- 昼間の購入電力量:
- すべて蓄電池で賄われるため購入量は 0 kWh
- 昼間料金: 0 kWh×42.60円/kWh=0円
- 夜間の購入電力量:
- 元々の夜間消費量: 120 kWh
- 蓄電池充電のための追加消費量: 約 311.11 kWh
- 夜間の合計購入電力量: 120 kWh+311.11 kWh=約 431.11 kWh
- 夜間料金: 約 431.11 kWh×31.64円/kWh=約 13,636.35円
- 合計電力量料金(導入後): 0円+約 13,636.35円=約 13,636.35円
太陽光なしの蓄電池のみだと経済的なメリットが薄い
近年は深夜電力料金が上昇しており、蓄電池単体では大きな経済的メリットが得にくくなっています。夜間電力の料金も高くなっており、従来ほど昼夜の料金差を活かした節電効果が期待できません。
特に、割高な電気代が充てられやすい昼間の電気消費量が少ないご家庭では、経済的な恩恵を受けにくくなっているのも事実です。そのため、電気代高騰の対策として太陽光なしの蓄電池単体を導入検討されている場合は、少し考え直してみるのをおすすめします。
蓄電池のみ導入の投資回収期間目安
先程のシミュレーション結果でも、月間の電気代削減効果は2,088円ほど。年間の削減効果は約25,000円となります。しかし、10kWhクラスの蓄電池システムの導入費用(本体価格+標準的な工事費)は、おおよそ150万円~200万円程度です。
仮に、以下の2つのケースで費用を設定して考えてみましょう。
- ケースA:安価なコストの蓄電池 150万円
- ケースB:中間コストの蓄電池 200万円
蓄電池の導入費用を年間の電気代削減効果で割ると、購入費用の投資回収期間は以下のとおりです。
- ケースA(導入費用150万円の場合):1,500,000円 / 約25,056円/年 ≒ 約59.9年
- ケースB(導入費用200万円の場合):2,000,000円 / 約25,056円/年 ≒ 約79.8年
上記の試算結果を見ると、太陽光発電システムなしで月間約2,088円の削減効果の場合、10kWhの蓄電池導入費用の回収には約60年~80年かかる計算です。
仮に、月間の電気代削減効果を7,000円に設定した場合でも、投資回収に18年~30年ほど時間が掛かります。
しかし、家庭用蓄電池の一般的な製品寿命は、充電サイクルに目を向けるとおおよそ10年~15年程度が寿命だと言われています。また、メーカー保証期間も10年や15年といった期間が設定されているケースが大半です。
蓄電池の期待寿命や保証期間を大幅に超えているため、太陽光なしの蓄電池だけでは購入費用の投資回収が難しくなっています。深夜電力と昼間電力など、月々の電気料金の差額だけを利用した節約では、高価な蓄電池の導入コストを賄うには不十分です。
太陽光なしの蓄電池のみは「災害時の安心感」に目を向けよう
蓄電池単体導入における経済的な効果は薄いものの、停電時に電気が使える安心感や利便性は大きなメリットのひとつです。「災害時の安心感」という価値をどの程度重視するかによって、太陽光なしの蓄電池導入に求められる判断は変わります。
災害時の非常用電源としての安心感や、電力の安定供給への貢献など、金額では測れない価値も考慮して総合的に判断することが大切です。
言い換えれば、経済的な効果を求めて蓄電池のみの導入を検討されている場合は、「太陽光なし」ではいくつか厳しい面があると言えます。
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太陽光発電と蓄電池を併用するメリット・デメリット
太陽光なしで蓄電池のみ設置する場合の経済効果は、あまり大きくはありません。あくまで、万が一の停電・災害対策としての側面が強くなっています。
そこで、太陽光発電と蓄電池を併用すれば、経済的・防災面ともに大きなメリットがあります。ここでは、太陽光発電と蓄電池を併用するメリット・デメリットについて解説します。
- メリット:長時間の停電・災害時も安心できる
- メリット:電気代の削減効果が期待できる
- メリット:売電収入を見込める
- デメリット:蓄電池と太陽光の相性確認が必要
- デメリット:初期費用が割高になる
- デメリット:両設備のメンテナンスコストが掛かる
▶太陽光発電と蓄電池はセット導入すべき?両方設置のメリット・デメリット
メリット:長時間の停電・災害時も安心できる
太陽光発電と蓄電池を併用すれば、停電や災害時にも家庭内で電気を使い続けられるため、非常時の備えとして大きな安心感が得られます。太陽光発電だけでは発電できるのは日中のみですが、蓄電池があれば昼間に発電した電気を夜間にも利用可能です。
災害時や停電時も蓄電池に貯めた電気を使い、日中は太陽光で再充電できるため、長時間の電力供給を実現できます。蓄電池単体では長期間のフォローが難しいものの、太陽光発電設備があれば、自家発電によって一定の災害対策を実現できるのが魅力です。
たとえば、地震や台風で長時間停電が発生した場合でも、「冷蔵庫」「照明」「スマートフォンの充電」など、生活に必要な家電を継続して使用できます。特に全負荷型の蓄電池であれば、家中の電気をカバーできるため、災害時の生活維持に大きく役立ちます。
メリット:電気代の削減効果が期待できる
太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、電気代を大幅に削減できる可能性があります。日中に発電した電気を蓄電池に貯めて夜間に使用すれば、電力会社からの買電量を減らせるため、電気料金の高騰リスクも抑えられます。
従来よりも電気の自家消費率が高められるため、結果として月々の電気代が下がるケースが多く見られます。特に、オール電化住宅や日中の電力消費が多い家庭では太陽光発電+蓄電池の導入効果を最大化しやすいのがメリットです。
電気代の負担を抑えたい方は、太陽光発電と蓄電池の併用がおすすめだと言えます。
メリット:売電収入を見込める
太陽光発電で余った電気を売電すれば、家庭の収入増加も期待できます。自家消費で使い切れなかった電気は電力会社に売電できるため、収入として家計にプラスとなります。FIT(固定価格買取制度)期間中は特に安定した収入源となるのが魅力です。
近年では、昼間に発電した電気を優先的に自家消費&蓄電し、余剰分を売電する運用が一般的です。夜間も蓄電池に溜めた電力を売電できるため、自家消費率を大幅に高められます。
蓄電池を活用すれば、卒FIT後も自家消費率を高めつつ、余剰分を売電する柔軟な運用が可能です。
デメリット:蓄電池と太陽光の相性確認が必要
太陽光発電と蓄電池を併用する際は、システム同士の相性や互換性を十分に確認する必要があります。太陽光発電と蓄電池にはさまざまなメーカーや仕様があり、組み合わせによっては効率が下がったり、設置できない場合もあります。
特に後付けの場合は、既存設備との連携可否やパワーコンディショナの対応状況に注意が必要です。
ハイブリッド型やトライブリッド型のような一体型であれば問題ないですが、別メーカーの機器を組み合わせる場合は、事前に専門業者による現地調査や仕様確認が不可欠です。
デメリット:初期費用が割高になる
太陽光発電と蓄電池を同時に導入する場合、初期費用が高額になりやすい点がデメリットです。両方の設備費用・工事費用が掛かるため、蓄電池のみの設置と比べてまとまった資金が必要となります。また、設置スペースやメンテナンス費用も増加します。
一般的な家庭用の太陽光発電と蓄電池をセットで導入すると、数百万円規模の初期投資が必要になることが大半です。ただし、自治体の補助金や0円ソーラーなどのサービスを活用すれば、初期費用を抑えられます。
コスト面が気になる場合は、補助金や0円ソーラーなどの活用を検討し、長期的な経済効果をシミュレーションしたうえで導入を判断しましょう。

デメリット:両設備のメンテナンスコストが掛かる
太陽光発電と蓄電池を併用すると、それぞれの設備に対して個別にメンテナンスや点検、部品交換などの維持管理コストが発生します。太陽光発電と蓄電池は独立したシステムで、どちらも長期間安定して運用するためには定期的な点検や清掃、経年劣化への対応が必要です。
太陽光パネルは20~30年以上の耐用年数がある一方で、蓄電池は10~15年程度で交換が必要になる場合が多く、両設備の寿命やメンテナンスサイクルが異なるため、トータルでの維持費がかさみやすくなります。
また、太陽光パネルの清掃や定期点検で数年に一回、数万円程度の維持費が見込まれるほか、蓄電池は十数年に一度高額な交換費用が発生する可能性があります。両設備のメンテナンス費用を合わせると、年間2万円から5万円程度を見込む必要性も。
さらに、自然災害や事故による修理・部品交換が発生すれば、その分だけコストは増加します。
導入前に両設備のランニングコストをしっかり把握し、年間の収支や将来的な交換費用も含めて資金計画を立てることが重要です。補助金や0円ソーラーに加えて、保証の充実した事業者を選ぶことも、長期的なコストパフォーマンスを考えるうえで重要です。
蓄電池は太陽光とのセット導入がおすすめ
太陽光なしの蓄電池のみで導入するだけでも、一定の電気代節約効果は見込めます。しかし、太陽光発電と蓄電池をセットで導入したケースに比べると、影響力は少ないのも事実です。
セット導入なら、パワーコンディショナや工事費が割安になり、システムの互換性も最適化されます。また、太陽光発電の余剰電力を蓄電池に貯めて自家消費できるため、電気代削減効果が大きくなるのも魅力です。
お住まいの住居環境によっては、太陽光が導入できないから蓄電池だけ、とお考えの方もいるかもしれません。しかし、もし「初期費用が重いからひとまず蓄電池だけでも」とお考えの方は、この機会に0円ソーラーのハチドリソーラーをご検討ください。
0円ソーラーとは、初期費用0円で太陽光発電設備・蓄電池等を導入できるリースサービスのひとつです。ハチドリソーラーにご相談いただければ、初期費用0円で太陽光発電システムを導入でき、電気代削減や売電収入も期待できます。
設置場所や予算の都合で太陽光発電が難しい場合もありますが、経済的メリットや停電対策を重視するなら、太陽光発電と蓄電池のセット導入や0円ソーラーの活用をぜひご検討ください。

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