ZEH住宅は太陽光なしでも建てられる?建てる際の注意点などを解説
1. ZEH住宅とは?
ZEH住宅とは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、家の断熱性能を高め、省エネ設備を導入することで、エネルギー消費量を大幅に削減した住宅のことです。 具体的には、年間で使用する一次エネルギー*消費量と太陽光発電などで創るエネルギーの収支を、1年間でプラスマイナス「ゼロ」以下にすることを目指した住宅を指します。
*一次エネルギーとは、石油、天然ガス、石炭、薪、水力、原子力、風力など、自然から直接採取できるエネルギーのことです。それに対し、一次エネルギーを転換・加工することで得られる電力、都市ガス、ガソリンや灯油などを「二次エネルギー」と言います。
項目 | 内容 |
ZEH住宅の定義 | 年間で使用するエネルギー消費量と太陽光発電などで創るエネルギーの収支を、1年間でプラスマイナス「ゼロ」以下にすることを目指した住宅 |
ZEH住宅の認定 | 断熱性能:断熱等性能等級4相当以上 省エネ性能が高い設備で一次エネルギー消費量削減率:20%以上 再生可能エネルギーによる創エネ:必須 再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減 |
ZEH住宅と混同されがちな省エネ住宅は、ZEH住宅で求められる基準よりも緩やかな基準が設定されています。ZEH住宅は、省エネ住宅よりもさらに高い断熱性能や省エネ設備が求められます。
2. 太陽光発電なしでZEH住宅を建てることはできる?
ZEH住宅は太陽光発電システムの設置が必須と思われがちですが、実はそうではありません。太陽光発電システムを搭載しなくても、ZEH住宅と同様の基準を満たせるZEH Oriented(ゼロ・エネルギー・ハウス指向型住宅)やNearly ZEH(ニアリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)といった選択肢があります。これらの基準では、太陽光発電システムの設置を必須としておらず、高断熱・高気密な住宅構造や高効率設備の導入によって、エネルギー消費を大幅に削減することでZEH基準に近づけることが可能です。
ZEH住宅の区分 | 概要 |
ZEH | 外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギー等により年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの住宅 |
ZEH Oriented | 『ZEH』を指向した先進的な住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた住宅(都市部狭小地※に建築された住宅に限る) |
Nearly ZEH | 『ZEH』を見据えた先進住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギー等により年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた住宅 |
※参考:資源エネルギー庁
3. 太陽光なしZEH住宅のメリット・デメリット
太陽光発電システムを搭載しないZEH住宅にも、メリットとデメリットが存在します。
メリット | デメリット |
光熱費の削減 | 建築費用の増加 |
快適な住環境 | メンテナンスの必要性 |
環境への貢献 |
メリット
– 光熱費の削減
ZEH住宅は、高い断熱性能と省エネ設備により、従来の住宅に比べて光熱費を大幅に削減できます。太陽光発電がない場合でも、エネルギー消費を抑えることで、光熱費の負担を軽減することが可能です。
項目 | 内容 |
断熱性能 | 高性能な断熱材や窓ガラスを採用することで、外気の影響を受けにくく、冷暖房効率が向上します。 |
省エネ設備 | 高効率給湯器や省エネエアコンなどを使用することで、エネルギー消費量を抑えられます。 |
これらの工夫により、光熱費を年間数万円単位で削減できるケースもあります。毎月の光熱費を抑えられるため、家計に余裕を生み出すことができるでしょう。
– 快適な住環境
ZEH住宅は、高断熱・高気密な家にすることによって、外部の気温の影響を受けにくく、室内温度が一定に保たれやすいという特徴があります。そのため、夏は涼しく、冬は暖かい、快適な住環境を実現できます。
メリット | 解説 |
温度差が少ない | 家全体の温度が一定に保たれるため、急激な温度変化による体への負担を軽減できます。 |
結露が発生しにくい | 高断熱・高気密により、結露が発生しにくく、カビやダニの発生を抑制できます。 |
騒音が少ない | 気密性が高いことにより、外部の騒音が室内に入り込みにくく、静かな住環境を実現できます。 |
これらの要素が組み合わさることで、一年を通して快適に過ごすことができる住まいとなります。
– 環境への貢献
太陽光発電システムがないZEH住宅でも、エネルギー消費量を大幅に削減することで、環境保全に貢献できます。地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量を減らせるからです。
CO2排出量 | |
一般的な住宅 | 約3,730kg/年 |
ZEH住宅 | 約3,000kg/年 |
太陽光発電搭載ZEH住宅 | 約300kg/年 |
※出典:温室効果ガスイベントリオフィス
全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(https://www.jccca.org/)より
上記は、年間のCO2排出量を比較した表です。ZEH住宅は一般的な住宅と比べてCO2排出量が大幅に削減できることがわかります。地球環境の保全が叫ばれる現代において、ZEH住宅に住むことは、持続可能な社会の実現に貢献することに繋がります。
デメリット
– 建築費用の増加
太陽光発電システムを導入しないZEH住宅の場合、初期費用を抑えられるというメリットがある一方で、建築費用は割高になる傾向があります。
ZEH基準を満たすためには、高性能な断熱材や窓を採用したり、高効率な設備を導入したりする必要があるためです。
項目 | ZEH住宅 | 標準的な住宅 |
断熱材 | 高性能グラスウールなど | グラスウールなど |
窓 | 複層ガラス、Low-Eガラスなど | 単層ガラス、複層ガラス |
給湯器 | エコキュート、エコジョーズなど | ガス給湯器、電気温水器 |
上記はあくまで一例ですが、ZEH住宅では、断熱性能や省エネ性能を高めるために、標準的な住宅よりも高価な建材や設備を採用することが一般的です。そのため、建築費用は割高になる傾向があります。
– メンテナンスの必要性
ZEH住宅で採用する高性能な設備機器は、定期的なメンテナンスが欠かせません。適切なメンテナンスを行うことで、機器の性能を維持し、長く快適に暮らすことができます。
設備機器 | メンテナンス内容例 | 頻度 |
高効率給湯器 | フィルター清掃、点検 | 1年に1回 |
高効率エアコン | フィルター清掃、ガス補充 | 1年に1回 |
換気システム | フィルター交換、ダクト清掃 | 3ヶ月に1回~1年に1回 |
メンテナンス費用は、機器の種類やメンテナンス内容によって異なりますが、年間数万円程度かかる場合もあります。ZEH住宅を検討する際は、初期費用だけでなく、ランニングコストとしてかかるメンテナンス費用も考慮することが重要です。
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4. 太陽光なしZEH住宅を建てる際の注意点
太陽光発電に頼らずZEH住宅を実現するには、建物の断熱性能を高め、消費エネルギーを抑えることが特に重要になります。
断熱性能の確保
– 断熱材の種類と選び方
断熱性能を高めるためには、断熱材の種類と窓の性能がポイントになります。
断熱材には、大きく分けて「グラスウール」「ウレタン」「セルロースファイバー」などの種類があります。それぞれに特徴があるので、適切なものを選ぶことが重要です。
断熱材の種類 | 特徴 |
グラスウール | 価格が安く、長く使ってもほとんど劣化しないため断熱性能も長続きしますが、施工時に断熱材との間に隙間があったり、吸湿シートがしっかり覆われていないと結露が生じやすくなってしまいます。 |
ウレタン | 断熱性能が高く、気密性も高いが、万が一燃えた場合には有毒ガスが発生するリスクがある。 |
セルロースファイバー | 古紙を使用しているため環境に優しく、防火性・防音性も高いが、グラスウールの倍程度の価格になる場合もある。 |
断熱材の選び方は、住宅の構造や気候、予算などを考慮する必要があります。専門家のアドバイスを受けながら、最適な断熱材を選びましょう。
– 窓の性能と選び方
窓は断熱性能が低い部分として知られており、窓の性能を高めることはZEH住宅において非常に重要です。窓を選ぶ際には、断熱性に優れた複層ガラスやLow-Eガラスの採用を検討しましょう。
用語 | 説明 |
複層ガラス | 2枚以上のガラスで構成された窓ガラス。ガラス間の空気層が断熱効果を発揮します。 |
Low-Eガラス | ガラス表面に特殊な金属膜をコーティングした窓ガラス。夏の暑さを遮り、冬の暖かさを逃がしません。 |
複層ガラスやLow-Eガラスは、従来の単層ガラスに比べて断熱性能が高く、冷暖房効率の向上に貢献します。また、窓のサイズや設置場所も断熱性能に影響を与えるため、窓の設計は専門家のアドバイスを受けることがおすすめです。
省エネ設備の導入
太陽光発電システムに頼らずZEHを実現するには、エネルギー消費量を大幅に削減できる高効率な設備を導入することが重要です。
設備 | 特徴 | 省エネ効果 |
高効率給湯器 | エコキュートやエコジョーズなど、従来型の給湯器よりも少ないエネルギーでお湯を沸かすことができる給湯器です。 | ガス給湯器と比較して約30%の省エネ効果 |
高効率エアコン | 省エネ性能の高い冷媒を使用したり、運転制御を最適化したりすることで、消費電力を抑えたエアコンです。 | 旧型のエアコンと比較して約20%の省エネ効果 |
これらの設備を選ぶ際には、初期費用だけでなく、ランニングコストやCO2排出量なども考慮することが大切です。専門家のアドバイスを受けながら、最適な設備を選びましょう。
– 高効率給湯器
高効率給湯器には、主に以下の2つの種類があります。
給湯器の種類 | 特徴 |
エコジョーズ | 排熱利用により高いエネルギー効率を実現したガス給湯器 |
エコキュート | 電気エネルギーで大気中の熱を集めてお湯を沸かすヒートポンプ式給湯器 |
従来型の給湯器と比較して、初期費用は高くなりますが、ランニングコストを抑え、省エネ性・経済性に優れています。 ご自身のライフスタイルや住宅の条件に合った給湯器を選ぶようにしましょう。
– 高効率エアコン
高効率エアコンは、省エネ性能に優れたエアコンです。ZEH住宅では、冷暖房効率を高めるために、高効率エアコンの導入が有効です。
高効率エアコンを選ぶ際は、省エネ性能を示す「APF」という数値を確認しましょう。APFは数値が大きいほど省エネ性能が高いことを示します。
等級 | APF |
★5 | 7.6以上 |
★4 | 7.1以上 |
★3 | 6.6以上 |
高効率エアコンは、従来のエアコンよりも初期費用は高くなりますが、ランニングコストを抑えられます。長期的な視点で考えると、経済的な選択肢と言えるでしょう。
ZEHビルダーの選定
ZEH住宅を建てるためには、設計や施工において専門的な知識や技術を持った「ZEHビルダー」の選定が重要になります。ZEHビルダーとは、ZEH住宅の普及を促進するために、一定の基準を満たし、登録された建築事業者のことです。
ZEHビルダーを選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。
項目 | 説明 |
ZEHビルダー登録 | ZEHビルダーとして登録されていることを確認 |
実績 | ZEH住宅の実績が豊富であるか |
技術力 | 断熱や気密など、ZEH住宅に必要な技術を持っているか |
コスト | 建築費用が予算に合っているか |
サポート体制 | 設計から施工、アフターフォローまで、しっかりとしたサポート体制が整っているか |
これらの項目を比較検討し、信頼できるZEHビルダーを選び、太陽光発電設備なしでも快適で省エネなZEH住宅を実現しましょう。
5. ZEH住宅の補助金制度
ZEH住宅の建築を検討する際には、活用できる補助金制度があることを知っておきましょう。国や地方自治体によって、補助金の内容や金額は異なります。
補助金名 | 対象となる住宅 | 補助額 |
ZEH住宅支援事業 | 注文・建売住宅におけるZEH住宅 | 定額55万円/ 戸 蓄電システム2万円/kWh (上限20万円かつ 補助対象経費の1/3以内) |
地域型住宅グリーン化事業 | 中小工務店などによる木造のZEH住宅 | 上限140万円/ 戸 |
※寒冷、低日射、多雪地域においては、 Nearly ZEH(省エネ基準から▲75%以上)での 申請も可能
※都市部狭小地、多雪地域などにおいては、 ZEH Oritented(再生可能エネルギーを加味しない)での 申請も可能
補助金の申請は、原則として着工前に済ませる必要があります。申請方法や必要な書類は、補助金制度ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。ZEHビルダーに相談すれば、補助金申請のサポートを受けられる場合もあります。
Nearly ZEHやZEH Oritentedの場合を除き、ZEH住宅の補助金申請には太陽光発電の設置が必須となります。また、ZEH住宅支援事業では蓄電池の設置で補助金がプラスされ、自宅の電気代の自給自足も可能です。
6. まとめ
太陽光発電システムを搭載しなくても、ZEH基準を満たす住宅を建てることは可能です。ZEH住宅の建築を検討する際は、太陽光発電システムの有無にかかわらず、メリット・デメリット、そして注意点を理解しておくことが重要です。
専門家であるZEHビルダーや設計士に相談することで、予算やライフスタイルに合った最適なZEH住宅を建てることができます。
太陽光なしZEH住宅を建てるメリット | 太陽光なしZEH住宅を建てるデメリット |
・初期費用を抑えられる | ・光熱費の削減効果は限定的 |
・屋根の形状や方角に左右されない | ・ZEH補助金の対象外となる場合がある |
ZEH住宅は、環境にも家計にも優しい持続可能な社会の実現に貢献する選択肢の一つと言えるでしょう。ZEH住宅の建築を検討する際には、活用できる補助金制度もありますが、前述の通り、Nearly ZEHやZEH Oritentedの場合を除き、ZEH住宅の補助金申請には太陽光発電の設置が必須となりますので、条件等を事前によく確認することをおすすめします!
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