
災害時も太陽光発電は使える?停電対策やポータブル型との違いを解説
この記事は2025/02/18に更新されています。
地震や台風などさまざまな災害により、電気・ガス・水道といったライフラインが遮断されるリスクはどうしてもつきまといます。
災害対策として「水や食料」などをローリングストックしていても、電気やガスが停止してしまえば生活の質は低下してしまうのも事実です。
そこで、近年では災害対策のひとつとして、太陽光発電を導入するご家庭も増加傾向にあります。導入済みの太陽光発電や、導入予定の太陽光発電設備を災害時にも使えるのか気になる方も多いでしょう。
この記事では、災害時に太陽光発電の電気を使えるのか、停電時の対策について解説します。また、万が一の備えとして「ソーラー発電機」についても触れていますので、あわせてご参照ください。
災害時でも太陽光発電の電力を使うことは可能
結論から言うと、災害時でも普段通り太陽光発電の電力を使用できます。日照量に応じた電力を利用できるほか、蓄電池も導入していれば、夜間でも蓄電池に溜めておいた電力を利用することが可能です。
そのため、災害時でもスマートフォンの充電やラジオなど、災害時に欠かせない情報を手に入れられます。
ただし、停電時でもシームレスに電気を利用できるかどうかは、導入している太陽光設備の状況によって異なります。
災害時でも太陽光発電の電力を使う条件
災害時でも太陽光発電の電力は利用できるため、住居環境が整っていれば、生活の質をある程度維持したまま避難生活を送れます。しかし、災害時に電力を使うには、以下の条件を満たさなければなりません。
- パワーコンディショナを「自立運転」へ切り替える必要がある
- 自立運転用コンセントを利用する必要がある
- 日中の太陽光が当たる時間のみ利用できる
- 一度に使用できる電力に制限がある
パワーコンディショナを「自立運転」へ切り替える必要がある
パワーコンディショナとは、太陽光パネルから届く電力の変換機能を搭載している機器で、「連系運転」「自立運転」の2種類があります。災害時で停電したとき、電力を自宅で使うにはパワーコンディショナを「自立運転」に切り替えなければなりません。
- 連系運転:発電分を電力会社へ売電できるようにした状態
- 自立運転:売電せずに自家消費できるようにした状態
なお、一部の太陽光発電設備には、停電時に自動でパワーコンディショナの運転が切り替わる仕組みが搭載されています。災害時など不測の事態を検知すると、「自立運転」に切り替わるため、シームレスな移行が望ましい方はそれらをチェックするのもポイントです。
自立運転用コンセントを利用する必要がある
自立運転用コンセントとは、文字通りパワーコンディショナが自立運転中に活用できるコンセントのことです。普段お使いのコンセントからそのまま電力が供給されるわけではないため、災害時に太陽光発電の電力を使うには専用のコンセントを使用しなければなりません。
- 屋内のパワコン:本体の側面・底面に専用の自立運転用コンセントが設置されているケースが多い
- 屋外のパワコン:屋内のどこかに自立運転用のコンセントが設置されている
場合によっては延長コードなどが必要になるため、普段は使わない長さの延長コードを用意しておくのも、災害時対策として太陽光発電導入を検討されている方には必見です。
日中の太陽光が当たる時間のみ利用できる
「太陽光発電」自体には、電力を蓄える機能は搭載されていません。そのため、あくまで災害時に太陽光発電の電力を利用できるのは、日中の太陽光が出ている時間帯のみです。
夜間や天気の悪い日には発電できないため、太陽光発電設備から思うような電力を獲得するのは難しくなります。
ただし、「蓄電池」を太陽光発電とセットで導入することで、日照時間に集めた電力を貯めることができます。電力を夜間でも利用できるようになるため、災害時の問題をある程度リスクヘッジできるのがポイントです。
一度に使用できる電力に制限がある
太陽光発電の自立運転中に使える電力には制限があり、一般的に「最大1500W(1.5kW)」までしか利用できません。スマートフォンの充電は20W程度のため満足に使えますが、一部の家電はワット数を超過するため、利用するのは難しくなります。
一般的に、家電の消費電力(W)目安は以下のとおりです。
家電製品名 | 消費電力(W) |
---|---|
エアコン(10畳用) | 冷房580W(立ち上がり時1400W) 暖房660W(立ち上がり時2000W) |
ファンヒーター | 200~1300W |
こたつ | 100~500W |
扇風機 | 20~50W |
冷蔵庫 (450ℓ) | 250W |
電子レンジ | 500W~1500W |
電気ポット | 700W~900W |
デスクトップPC | 200~900W |
ドライヤー | 1200W |
洗濯機(縦型) | 400~500W |
洗濯機(ドラム式) | 洗濯時200W 乾燥時1300W |
テレビ(42型) | 液晶 210W プラズマ 490W |
電子レンジをはじめとして、一部の家電は立ち上がりに多くの電力が掛かるため、ワット数内に収まるように思えても利用することはできません。
そのため、「最大1500W(1.5kW)」未満に収まるよう、自立運転用コンセントに接続する家電数を絞る必要があります。
しかし、スマートフォンなどの充電やノートパソコンの利用は十分に行えるため、災害時に欠かせない情報を入手できます。また、冷蔵庫も稼働できるため、腐らせたり水漏れしたりせずに食品を利用できるのがポイントです。

太陽光発電導入で得られる災害時の5つのメリット
自然災害が頻発する日本において、住宅の防災対策は喫緊の課題です。
太陽光発電システムの導入は、家庭におけるエネルギー源の確保だけでなく、災害時にはさまざまなメリットをもたらし、私たちの安全・安心な生活を支える一助となります。
ここでは、太陽光発電の導入で得られる災害時のメリットについて解説します。
停電時でも電力を確保
災害対策で太陽光発電を導入する最大のメリットは、何と言っても停電時でも電力を使用できる点です。通常、電力会社からの供給が止まると、家中の電気が使用できなくなり、生活に大きな支障をきたします。
しかし、太陽光発電システムが設置されていれば、発電した電力を専用のコンセントや分電盤を通じて利用できます。
照明を灯したり、冷蔵庫を稼働させたり、スマートフォンを充電するなど、必要最低限の生活を維持することが可能です。
蓄電池との連携でさらに安心
太陽光発電は、天候に左右される側面を持ち合わせています。しかし、蓄電池を併用することで、発電した電力を蓄えておくことができ、夜間や悪天候時でも電力を使用できます。
特に、近年では大容量の蓄電池も登場しており、長期間の停電にも対応できるようになりました。太陽光発電と蓄電池の組み合わせは、災害時の電力供給において非常に有効な手段と言えるでしょう。
情報収集と安否確認を行える
災害時は正確な情報を迅速に収集し、家族や友人との安否を確認することが重要です。太陽光発電があれば、停電時でもラジオやテレビ、インターネットを利用することができます。
また、スマートフォンやパソコンを充電することもできるため、情報収集手段を確保し、大切な人との連絡を取り合えます。
医療機器・介護機器の利用
在宅医療を受けている方や、介護が必要な方がいる家庭では、停電は深刻な問題です。人工呼吸器や吸引器などの医療機器、介護用ベッドや電動車椅子などの介護機器は、電気がないと使用できません。
機材には万が一のバッテリー等も搭載されていますが、電力がなくなってしまえば命にかかわる問題です。太陽光発電があれば、上記の機器も一部動かすことができ、患者さんや要介護者の安全・安心な生活を支えられます。
ただし、すべての機材が安全に運用できるとは限らないため、事前に保護環境をチェックする必要があります。
暖房器具・冷房器具を利用できる
夏季の停電は熱中症の危険性を高めます。また、冬季の停電は、暖房器具が使用できなくなり、低体温症を引き起こす可能性があります。
太陽光発電があれば、一部のヒーターなどの暖房器具を使用でき、適切な温度環境を維持することができます。また、エアコンの性能によっては夏場の冷房も稼働できるため、体調への悪影響を最小限に抑えやすいのがメリットです。
太陽光発電設備の導入が災害対策以外にもおすすめな理由
太陽光発電システムの導入は、災害時における電力確保という観点から注目されがちです。しかし、実はそれ以外にも多くのメリットがあります。ここでは、普段の生活にもたらす利点に焦点を当て、太陽光発電の魅力を
電気代を減らせる
太陽光発電の最大の魅力のひとつは、電気代を節約できることです。日中に太陽光で発電した電気を自宅で消費することで、電力会社から購入する電気量を減らせます。
例えば、日中の明るい時間帯に洗濯や掃除をしたり、料理をする際に太陽光発電の電気を利用したりすれば、電気代を大幅に抑えることが可能です。
さらに、余った電気は電力会社に売電もできます。売電収入は、電気代の支払いに充てたり、家計の足しにしたりできるのが魅力です。
そのため、「昼間の電気代が高く夜間は安いプラン」にすることで、昼間は太陽光発電の電気を使い、夜間は割安な電気を購入する方法で、さらに電気代を節約できます。
蓄電池を併用すれば、昼間に発電した電気を蓄えて夜間に使用できるため、人によっては電力会社から電気をほとんど買わずに生活することもできます。
住環境に断熱効果を生み出せる
太陽光パネルを屋根に設置すると、住宅の断熱効果を高められるメリットがあります。夏は、太陽光パネルが日差しを遮ることで屋根の温度上昇を抑え、室内を涼しく保ちやすくなります。特に、屋根材とパネルの間に空気層ができる架台設置型の場合、その効果は高くなるのがポイントです。
冬は逆に、太陽電池モジュールが屋根からの放熱を防ぎ、室内の暖かさを維持するのに役立ちます。
断熱効果によって、普段よりも快適な住環境を整えやすいのが魅力です。そのため、発電による節電効果だけでなく、断熱による節電効果も期待できるのがメリットです。
地球環境に優しい
太陽光発電は、風力や地熱などと同じく再生可能エネルギーのひとつです。発電時に温室効果ガスを排出しないため、地球温暖化対策に貢献できます。
日本は再生可能エネルギーの導入水準が比較的低いため、政府も太陽光発電を含む再生可能エネルギーの導入を推進しています。地方自治体の助成金制度や、固定価格買取制度などを活用すれば、よりお得に環境問題対策を始めることが可能です。
「太陽光発電」以外で災害時の対策をするには?ポータブル型との違い
災害発生時には、電気・ガス・水道などのライフラインが遮断される恐れがあります。そうした事態に備え、非常用の電源を確保しておくことが重要になります。
停電に対する対策として、ガソリン発電機の準備を検討する人もいますが、ガソリン発電機には以下のような課題があります。
- 運転時の騒音が大きい
- 排出ガスによる環境負荷
- 燃料の確保が困難になる恐れ
一方、ポータブル型のソーラー発電機は再生可能エネルギーを活用でき、静かな発電が可能です。災害に備えた非常用電源として、ソーラー発電機の準備がこれからの時代に役立つと言えます。
とはいえ、ポータブル型のソーラー発電機は、「太陽光発電機」に比べて発電量が見劣りします。
また、「冷蔵庫」などの一定消費電力が求められる設備をカバーしきれない商品も多いため、災害時に「食品を腐らせたくない」「生活の質をある程度保ちたい」とお考えの方は、「太陽光発電設備の導入」がおすすめです。
「ポータブルソーラー発電機」の選び方
ソーラーパネルを用いて災害時のリスクヘッジを検討していても、「太陽光発電設備」を導入するには一定のコストが掛かるため、気軽に導入できないと頭を悩ませている方もいるかもしれません。
そのようなときは、スマートフォンの充電などに活用できる「ポータブルソーラー発電機」に注目するのもポイントです。ここでは、ソーラー発電機の選び方について解説します。
なお、「0円ソーラー」のハチドリソーラーなら、太陽光発電設備の初期費用を0円で導入していただくことが可能です。さまざまな補助金制度申請のフォローも行っているため、「コストを抑えて太陽光発電を導入したい」とお考えの方は、ぜひこの機会にハチドリソーラーまでお問い合わせください。
ご自宅に必要な電力量を知る
ソーラー発電機を選ぶ前に、災害時にご家庭で必要な家電(スマホ・ラジオ・照明など)を想定し、同時に使用する家電の合計ワット数を確認します。
スマホ・ラジオ・照明などの給電対象を想定
災害時にソーラー発電機で使用したい家電製品を事前に想定しましょう。主な家電の例としては、以下のようなものが考えられます。
- スマートフォン
- ラジオ
- LED電球(1個)
- ノートPC
- IHクッキングヒーター
- テレビ(22インチ)
同時使用する家電の合計ワット数を確認
消費電力と使用時間を掛け合わせれば、その製品が1日に必要とするWh(ワットアワー)*が分かります。すべての製品のWh値を足し合わせると、ソーラー発電機に必要な電力容量の目安がわかります。余裕を見て十分な容量を選びましょう。
家電製品 | 消費電力(W) | 1日の使用時間(h) |
---|---|---|
スマートフォン | 5W | 3時間 |
ラジオ | 3W | 6時間 |
LED照明 | 10W | 4時間 |
ノートPC | 45W | 3時間 |
IHクッキングヒーター(中火) | 500〜1000W | 30分 |
テレビ(22インチ) | 50W | 2時間 |
たとえば、スマートフォン、ラジオ、LED電球2個、ノートPCを使いたい場合、(5W)+(10W)+(10W×2)+(45W)=80Wの発電能力が必要となります。災害時の電力需要に応じて、適切な発電機を選定しましょう。
*W(ワット) は電力の単位で、一定の時間内に使用される電力の量を示します。電気機器の消費電力や発電設備の発電能力を示す際に用います。1kWは1000Wに相当します。
*kWh(キロワットアワー) はエネルギーの単位で、電力が一定時間にわたって使用された総量を示します。電気使用量や蓄電池の容量を表すのに用いられます。例えば、1kWの電力を1時間使用した場合、1kWhのエネルギーを使用したことになります。
発電パネルの出力
ソーラー発電機の発電パネルは、晴天時に最大の発電量を得られます。ただし、実際の発電量は太陽光の強さによって変動するため、理想的な発電量を事前に把握しておくことが重要です。
一般的に、単結晶シリコン製の発電パネルの場合、1平方メートルあたり約200Wの出力が見込めます。つまり、0.5平方メートル(約86cm×58cm)の発電パネルであれば、晴天時の理想的な発電量は約100Wです。
ただし、曇りの日や朝夕の時間帯では発電量が低下します。また、発電パネルの経年劣化や汚れなどによる出力低下も考慮する必要があります。災害時の長期的な電力需要に対応できるよう、発電パネルの出力は余裕をもって選ぶことをおすすめします。
屋外使用に耐えうる頑丈さ
災害時などは屋外での使用も想定し、屋外の使用に耐えうる頑丈さが求められます。完全防水や耐塵性に優れた本体なども考慮して選ぶことをおすすめします。
なお、屋根上に設置するソーラーパネルは風雨にさらされても耐えられる使用のため、長期にわたって安定稼働しやすいのが魅力です。
携帯性・収納性
避難時の持ち運びを考慮し、重量とサイズの点から携帯性の高い製品を選びましょう。一人で持ち運びが難しい重量などは、実用的ではないため、持ち運び可能な重量かも購入前に確認するのがベストです。
おすすめのポータブルソーラー発電機
災害時の電力確保に適したソーラー発電機の一般的な仕様を紹介します。発電パネルの出力は100W前後が目安です。晴天時で発電量が比較的多く、スマホの充電やラジオ、LEDランタンなど小型家電の給電に適しています。
項目 | 一般的な仕様 |
---|---|
発電パネル出力 | 100W前後 |
バッテリー容量 | 500Wh前後 |
防水・防塵性能 | 完全防水・耐塵構造 |
サイズ・重量 | 持ち運びに適した大きさ・重量 |
バッテリー容量は500Wh前後が標準的です。これにより晴天時に蓄電した電力を夜間や雨天時にも使用できます。本体は完全防水や耐塵性に優れ、アウトドア環境下でも問題なく使えます。
また、避難時の持ち運びを考慮したコンパクトなサイズと軽量設計が一般的です。
まとめ
災害発生時の電力確保は重要な課題です。太陽光発電設備を導入すれば生活の質をある程度維持することができ、「冷蔵庫の食品を腐らせる」といったトラブルを防ぎやすくなります。
そのため、災害対策として太陽光発電設備を導入する方も少なくありません。そのときは夜間でも電気を利用できるよう、電力を蓄えられる「蓄電池」をセットで導入するのがベストです。
また、太陽光発電を導入できない場合は、ポータブル型のソーラー発電機を用意して災害に備えるのも選択肢と言えます。ポータブル型のソーラー発電機であれば、ガソリン発電機等に比べて以下のようなメリットが得られます。
- 静粛性:エンジン音がないため、静かな環境を維持できる
- 環境負荷の低減:再生可能エネルギーを活用できる環境に優しい製品
- 携帯性:コンパクトで軽量なものが多く、避難時の持ち運びに適している
しかし、適切な製品選びが重要となるため、まずは、スマホ・ラジオ・照明などの災害時に必要となる家電製品の電力需要を見積もる必要があります。そのうえで、ソーラー発電機の発電能力とバッテリー容量が需要に見合っているかをチェックするのがベストです。
災害への備えは、平常時から心がける必要があります。事前にソーラー発電機の選定を行い、災害時の電力需要に対応できる製品を準備しておくことをおすすめします。
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持ち運び可能なソーラー発電機は比較的手軽に購入が可能ですが、災害時など長期間の備えとしては、不十分な点もあります。
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