新築物件への導入で、大きな経済的メリットも。売電も好調
新築物件へのソーラープラン導入
――現在の住環境についておしえてください。
坪井さん:以前は長野県の白馬村に住んでいましたが、今は同県の松川村というところに住んでいます。白馬村は移住者やインバウンドの影響で比較的家賃が高く、条件に合う賃貸物件を探すのに苦労します。住んでいたマンションの結露がひどかったのでエリアを広げて引越し先を探していたところ、松川村によさそうなアパートを見つけました。
移り住んでみて、とてもよい土地だと感じたので、そのまま松川村に新築物件を建てて暮らしています。また移住後は地域や社外の方と一緒に、当エリアでの環境社会問題の解決に取り組んでいます。
――「地域の方と一緒に課題解決」とは具体的に
坪井さん:例えば白馬村はスキー場などの雪に関する事業で成り立っている村です。でもこのまま温暖化が進むと、村として成り立たなくなる懸念がありました。そのためスキー場の施設を再エネで動かすことをお願いしたり、気候変動に対して活動していました 。
白馬村が脱炭素しても社会的影響は少ないかもしれませんが、世界中から観光客が訪れるリゾート地であるため、脱炭素の動きをすれば広く波及するのではないかと住民たちと活動しました。
――ハチドリソーラーを選んだ理由は。
坪井さん:仕事で環境社会問題の解決に関わっていて、環境問題について学ぶ中で地球温暖化に対して市民ができることのひとつは電力会社を選ぶこと、そして、環境に優しい電力は実は経済的メリットも大きいということを知りました。
以前から、もし家を建てるなら環境に優しい電力を使う環境を整えたいと考えていて、ハチドリソーラーを導入しました。今の家で2回、冬を経験したのですが、かなり快適に過ごせています。
――導入したプランは。
坪井さん:太陽光のみの「ソーラープラン」を導入しました。
設計時に、太陽光パネルを乗せる前提で屋根を片流れにし、大きくしました。勾配は耐震性を優先して緩くしましたね。発電効率を考えるともっと勾配があった方がいいのですが、日当たりも良いのでバランスを考え、耐震性を優先しました。
新築の場合、工事で使う足場を利用して太陽光パネルを設置することができるので、経済的合理性が高いこと、配線を逃して仕上がりをきれいにすることができるという利点があります。屋根に穴を開けずに設置できるのも、新築ならではのメリットでした。
――既築の場合は新たに足場を組み必要があって費用面での課題がクリアできなかったり、屋根の形状に左右されるというデメリットがあるので、新築での太陽光パネルの設置は理想的といえます。
いちばん大きいのは「経済的メリット」
――それまでの電気の使い方と比べて、どのような変化がありましたか。
坪井さん:広さや設備など条件がかなり異なるので単純比較はできませんが、たとえば同じ長野県内の自分の実家と比較したら、大きな差があります。
実家では冬は石油ストーブをメインで使っていて、ガソリンスタンドから灯油を配達してもらって、部屋それぞれのストーブに灯油入れるという手間もかかりますし、玄関や廊下などの気温も低いです。
一方で、今住んでいる家では、暖房は14畳の一般的なエアコンを床下に設置しています。フローリングに開けた穴を通して、床下の空間から暖かい空気が上に上がって来る仕組みです。これで、30坪2階建ての家全体が暖かくなります。
少ないエネルギーで家全体が暖かくなるように、高気密・高断熱や南側の窓を大きくするなどの工夫をしているのもあり、経済的メリットという面でも満足しています。
オンライン会議で首都圏の人たちと話すと、みなさんが私より寒そうな服装をしていて「寒くないですか?」と聞かれるほど、うちは暖かいです。家族も玄関に入った瞬間から暖かいね、と言っています。
夏は、冷気が下がる仕組みを利用し、2階のいちばん高い部分にエアコンをつける予定です。でも、去年はエアコンがなくても扇風機で乗り切れたので、まだエアコンは入れていません。
――ハチドリソーラーを導入して、一番大きな満足ポイントは。
坪井さん:電気代が安いと感じることです。年間で17万円ほどの売電収入もあり、経済的メリットはかなり大きいと思います。
妻が通勤や娘の保育園の送り迎えなどに使うための車を買うときに、中古の軽か電気自動車で迷ったのですが、長期的な経済的メリットを考えて、電気自動車を買いました。
長野県は内陸ということもあってガソリン代がとても高いです。試しに計算をして電気代と比べてみると、ガソリン代の9分の1ほどということがわかりました。
電気自動車は高い買い物だと思う方も多いと思いますが、1ヶ月のガソリン代と電気自動車のローンの金額を比べて検討するとよいかもしれません。うちは結果的に電気自動車の方が安くついています。
先進国の中で遅れている日本の住環境
――経済的メリットと環境負荷の軽減、両方を実現できているのですね。でも、日本では高気密・高断熱の住宅がまだまだ普及しきれていない側面もあります。
坪井さん:仕事で環境問題に取り組む中で知ったのですが、日本の住環境は先進国の中でもかなり遅れをとっているようです。
日本も古典である徒然草に、「家づくりは夏をもって旨とすべし」という言葉があります。これは、家を作るときは夏の過ごしやすさを考えて風通しのよい家に住んだ方がいいという意味なのですが、温暖化が進む今、夏に窓を開けて過ごすのは過酷だと思います。
昔は、湿度対策として、カビや腐敗を防ぐために風通しのよい家がよいという価値観が定着したのですが、今の日本の気候には合わない考え方ではないでしょうか。
――ドイツなど欧米では賃貸物件の条件として、エアコンをつけていない状態で快適な温度が保てないと、人に貸してはいけないという規制もあります。
坪井さん:日本は利益追及でローコスト住宅がたくさん建てられていますが、中古住宅を売るときに資産価値なくなるという特徴もありますよね。欧米ではリノベーションしながらひとつの家に長く住むことが多く、日本はまだまだスクラップアンドビルドの文化なのかもしれません。
でも、今の日本の気候を考えると、高気密・高断熱にした方が経済的メリットも大きく、健康にもよいですし、なにより、長く住むことができます。
もちろん環境への配慮という側面もありますけど、経済的メリットについて広く知られることで快適な住環境の普及につながるといいなと思います。
まずは経済的メリットを知ることから
――今後どのようなことを期待されていますか。
坪井さん:給湯コストを下げられたらと思いますが、「おひさまエコキュート」が出る1年前というタイミングでの導入だったので…。日中にお風呂のお湯が湧き上がっていたらロスがなく、もっと経済メリット大きいのに、と悔やまれます。
――エコキュートの交換はできますけど、まだ1年しかたってないので今交換するのはもったいないと思います。
坪井さん:そうですよね。でも、そのうち検討したいと思います。
毎日楽しいのは、毎日の発電量がわかること。それを見て「今、発電しているから、暖房入れちゃおうか」と家族と話したりします。モニターで売電金額が知ることができ、夏は1日800円近くあるのでうれしい気持ちになります。
――モニターを設置した甲斐があります!坪井さんは環境意識の高さはもちろんのこと、経済的メリットなどの知識も高いですが、どうやって情報を得ているのですか?
坪井さん:仕事で環境問題に取り組んでいることは大きいと思います。でも、家を建てるときは、YouTubeでかなり勉強しました。高断熱・高気密の家を設計している人や大学の先生などの情報を参考にしながら「どれが真実だろう?」と考えました。
その結果、今の環境にはとても満足しています。もっとたくさんの人が電気や住環境の正しい知識を得て、経済的メリットという面でも満足しながら環境にやさしい生活をできるようなったらいいなと思います。
――ありがとうございます。弊社としても、ひとつでも多くのご家庭で100%再エネ化をサポートしていくのが目標ですので、それぞれの方のライフスタイルや電気の使い方などにかなり踏み込んで、ていねいにプランニングさせていただきます。ご興味のある方はぜひ一度、ご相談ください。
環境に良い暮らしをしたいという思いがインタビューの中ですごく伝わってきました!
坪井さまのあたたかい人柄に楽しくお話をさせていただきました。
これからも坪井さまのように、環境にも家計にもやさしい生活を目指されるお客様のサポートができるよう、日々努めていきます!