【詳しく解説!】太陽光発電を10kW設置した場合の1日の発電量とは
1.はじめに
太陽光発電システムを設置する際、発電量の見積もりは非常に重要です。発電量が多ければ、投資回収の期間が短くなり、経済的メリットが大きくなります。一方、発電量が少なければ、投資の採算が取れなくなる可能性があります。
発電量は、太陽電池パネルの出力容量(kW)だけでなく、設置場所の日射量、気温、設置角度など様々な要因によって変動します。したがって、事前にご自宅の状況を確認しておき、販売店などに相談し、発電量のシミュレーションを行なってもらうようにしましょう。
要因 | 発電量への影響 |
日射量 | 日射量が多いほど発電量が増加 |
気温 | 気温が高いほど発電量が低下 |
設置角度 | 南向きが最も好ましく、北向きは設置できない場合がある |
このように、太陽光発電の発電量は設置環境によって大きく変わります。適切な発電量の予測は、導入の経済的な判断に欠かせません。
2.太陽光発電の発電量に影響する要因
太陽光パネルの出力容量(kW)
東京電力によると、太陽光パネル1kWあたりの1日あたりの発電量の目安は平均2.7kWhと報告されています。10kWに換算すると1日で「約27kWh」の電力を利用できます。
<出典:東京電力「太陽光パネルの1日の発電量は?」>
環境による影響
設置場所の日射量が大きいほど、発電量は増加します。また、気温が高いと発電効率が低下し、設置角度が適切でないと日射量が減少するため、発電量が低下します。
変換効率や配線によるロス
パワーコンディショナーの変換効率が低いと太陽光発電で生み出した電気のうち使用可能な電力量が減少します。また、配線の長さが長いほど、配線ロスが大きくなります。
これらの要因が複合的に影響するため、実際の発電量は想定の数字よりも低くなる傾向にあります。
ハチドリソーラーで主に取り扱っている「長州産業」は海外メーカーと異なり、1枚ごとのパネルが基準の出力以上でないと出荷しません。海外メーカーの場合にはパネルごとに出力の差がある(出力が高いものもあれば、低いものもある)を平均で出力基準を超えて入れば出荷しています。そのため長州産業は想定値よりも実際の結果がよくなる傾向にあります。
3.10kWの1日の発電量の目安
住宅の屋根に太陽光発電を設置した場合のシステム容量1kWあたりの年間発電量は、1000kWh*が目安とされています。そのため、1日あたりの発電量を算出するには、この1000kWhを365日で割って、約2.7kWhの発電量が期待できます。
※1 太陽電池を水平に対して30度傾け、真南に向けて設置した場合の計算例。地域や太陽電池の方位、傾斜角度により発電量が変わります。
*参照: 太陽光発電協会
季節別・地域別の発電量の違い
実際の発電量は、季節や地域による日射量の違いから、上記の値と異なります。例えば、日射量が多い夏場は発電量が増え、冬場は減少します。また、日本の南部と北部でも日射量が異なるため、発電量に差が生じます。地域の気象データから実際の発電量を推計する必要があります。
<出典:東京電力エナジーパートナー>
4.年間発電量と売電収入の試算
年間の発電量の計算方法
年間発電量は、設置場所の年間日射量データと、パネル出力、設置角度、システム効率などから算出されます。例えば、東京都心で10kWのシステムを南向き30度の最適角度で設置した場合、年間日射量は約1,200kWh/m2程度です。太陽光を電力に変換する際に生じるロスを20%とすると、年間発電量は次のように試算できます。
年間発電量 = 10kW × 1,200kWh/m2 × 0.80 ≒ 9,600kWh
売電価格を考慮した収入シミュレーション
年間発電量に売電価格を乗じることで、売電収入を試算できます。例えば、買取価格が16円/kWh(*2024年時点)の場合は以下のようになります。
売電収入 = 9,600kWh × 16円/kWh ≒ 153,600円
初期費用の回収年数の試算
初期費用の回収年数は、設備費用÷年間売電収入で概算できます。設備費用が150万円の場合、回収年数は以下の通りです。
回収年数 ≒ 1,500,000円 ÷ 153,600円/年 ≒ 9.76年
5.発電量を最大化するためのポイント
太陽光発電システムから最大限の発電量を得るためには、適切な設計と定期的なメンテナンスが重要です。
適切な方位角と傾斜角の設定
パネルの向きと角度を調整することで、日の光を最大限に受けられます。太陽光発電が最も効率よく発電できる向きと角度は以下の通りです。
方位角 | 南向き |
傾斜角 | 緯度+15~25度 |
パワコンや配線の適切な選定
太陽光発電システムのロスを最小限に抑えるため、太陽光パネルの出力に見合ったパワコンや配線の選定が大切です。特に長い配線では電圧が下がり発電効率にも影響するため注意が必要です。
このように、適切な設計と定期的なメンテナンスを行うことで、太陽光発電システムの性能を最大限に発揮させることができます。
6.まとめ
以上の通り、太陽光発電システム10kWの1日の発電量は、設置場所の日射量や気温、パネルの設置角度などの条件によって大きく変動します。4.5kwの太陽光発電システムを理想的な条件下で使用した場合ですと、1日あたり10kWh前後の発電が見込めます。
季節や地域による発電量のばらつきがありますが、年間の予測発電量はおおよそ9,600kWhとなり、太陽光発電の投資回収期間は約9.76年と想定されます。
発電量を最大化するには、適切な設置角度の設定や定期的な清掃が重要です。発電量を正確に把握することで、太陽光発電システムの経済性を適切に判断できます。
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