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「ゴミがゴミでない社会」を目指して。地球環境の変化は教育自体を変えていくこと。

会社の電気を申し込みました

この度「石坂産業株式会社」さんが、ハチドリ電力の仲間に加わってくれました。石坂産業さんは「ゴミがゴミでない社会」を目指して高いリサイクル化率を実現した廃棄物処理事業を展開されています。この記事では、代表取締役の石坂典子さんに、石坂産業さんの取り組みやハチドリ電力へお申し込みいただいた理由など様々なお話を伺っていきます!
「ゴミがゴミでない社会」を目指して

石坂産業さんは産業廃棄物を資源に変える取り組みをされているのですよね。

父が土木事業をスタートしたのは53年前。戦後の高度経済成長期で、多くの廃棄物を東京湾に埋めていた時代でした。それを目の当たりにした創業者は「ゴミがゴミでない社会」を目指してリサイクル化率の高い工場づくりを進めてきました。

大量生産・大量消費が進む時代において、廃棄物処理に対する世間の風当たりはどうだったのでしょうか?

地域の多くの方々にとっては、廃棄物処理会社そのものが迷惑な存在で、リサイクルという側面よりも、廃棄物が地域に集まってくるということに対して感情的になってしまうケースが多かったそうです。

確かに「廃棄物」と聞くとどうしてもマイナスの印象を抱いてしまうかもしれません。

日本は、ゴミの量に対して国土面積が狭いので、廃棄物を埋められずに海に投棄したり、国外へ輸出してしまったり。廃棄物の焼却により容積を小さくする技術が大変有効になったものの、それによるダイオキシンが大きな問題となったり。有害物質が拡散されてしまう恐れから全国的に反対運動になった背景もありました。

そんな時、父が起こした会社の「ゴミがゴミでない社会を作る」という夢は素晴らしいと思いましたし、その理念を引き継いでいきたいと思い、私自身スタートしたのが18年前です。

現在は廃棄物処理に対する社会の認識は変わってきたのでしょうか?

廃棄物に対する社会の意識はまだそれほど高くないように感じます。とにかく処理にかかる費用を安くしてほしいというように、コスト意識が廃棄物に対しては特に厳しいのですが、これは、環境への配慮ではなく、人間中心のコストの考え方が根付いているからではないかと思います。

なるほど。本当に環境のことを考えるなら、払わなければならないコストですよね。

ゴミをゴミでない社会にする、すなわちリサイクルするにも、ものすごくコストがかかってきます。それは、製造するコスト(デザインから設計するコスト)以上に、マテリアルに戻すコストがかかるということですが、これはこれまでなかなか注目されてきませんでした。

確かに、作るより処分するコストがかかるというのは、なかなか考えにくいかもしれません。

大量生産・大量消費の中で、私たち人間にとってより豊かでより利便性の高いものが追求されてきた一方で、その裏側では大量の廃棄物があります。その廃棄物処理自体に正規のコストがかかるということが、社会的にあまり認識されていないですし、さらに、私たち処理業界に対する社会の理解もまだまだ乏しいと感じます。

しかし、昨今ではSDGsが注目され、世界の投資家たちの中では、環境や社会性に配慮したESG投資の動きが出てきました。これは私たちにとっても嬉しいことで「捨てるをなくす」サーキュラーエコノミーにもつながっていきます。

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日本における廃棄物処理にはどんな課題があるのでしょうか?

例えば、プラスチックに関しては、日本は人口がそれほど多くないのに、その排出量はアメリカに次いで世界で第2位です。

そんなに多いんですね。いかに自分たちがゴミを出してしまっているのか、考えさせられます。

廃棄物というのは、それを燃やしてしまったり埋めてしまったりするので、なかなか直接目に触れることは少ないのですが、最近は海洋プラスチックの問題が注目されるようになってきました。水の中はプラスチックが見えるので、危機感を感じやすいですよね。

確かに、海の中は見えやすいですね。ウミガメがプラスチックストローを鼻に詰まらせて苦しむショッキングな映像を見たこともあります。

海洋生物への影響や、太平洋ベルト地帯には1億5,000万トン以上の廃プラスチックが海の中に残っている状態だということが世界的にも注目されるようになっていますが、実は、それは土の中でも起きているんです。

これだけ多くの廃棄物を埋めているのなら、当然のことですね。目に見えないだけで。

世界の多くの国が、残念ながら廃棄物を土の中に埋めてしまっていますが、プラスチックであれば、長いものだと200年くらいは分解されずに地球環境に影響を与え、最終的には、その土で育てられた作物を食べる人間に戻ってきてしまいます。

私たちもまだ完全に「ゴミがゴミでない社会を作る」という夢を実現できているわけではありません。私たちの工場では、廃棄物のリサイクル化(減量化)率が98%を超えているのですが、それは廃棄物のあくまでも一部です。全てのモノの作り方、製品の作り方にも関与して、最終的には全てのものがマテリアル再生できるよう、ものづくりをされているところまで影響を与えられる会社になりたいと考えています。

地球環境を変えるというのは
教育そのものを変えていくこと

石坂産業さんは、環境教育などにも力を入れられていると伺いました。その理由には何があるのでしょうか?

廃棄物処理そのものが社会になかなか理解してもらえなかったり、若い人の就職先に選ばれなかったり、と過去の背景はたくさんあるのですが、モラルやライフスタイルのあり方そのものを変えていくことを考えるきっかけが足りていないのではないかと思っています。地球環境を良くするには、まずは教育のあり方から変えていく必要があると感じていて。

といいますと…?

2年ほど前に、中央アジアのカザフスタンからひとりの女の子がインターンとして来てくれたのですが、彼女は日本ではなく国に帰って仕事がしたいと言っていました。

それはまたなぜ…?

カザフスタンでは、十分な教育を受けている人が少ないため、ゴミ箱が設置されていても、ゴミをそこに捨てることができないそうで。彼女はその状況を変えたいと言っていました。

なるほど。環境を変えるということは、教育そのものを変えていくことなのですね。

はい。意識がないままではダメだと思います。例えば、7月からレジ袋が有料化されましたが、そもそもその目的は何か、それをきちんと理解していないと意味がありません。

レジ袋の有料化なんて意味がない、という声も聞きます。

原油換算にしたら微々たる量だ、とか、金額にしたら数円のことなのになぜ無料にしてくれないのか、というのは論点がずれているのではないかと思います。地球環境を良くするには、本質を捉える力をつけていかないと。

ハチドリ電力も、環境問題・社会的課題を解決するために動かれていると思いますが、やはり自分事として捉えられないとなかなか共感できないですよね。環境というのは、漠然としていて大きすぎるし、自分一人の力じゃどうにもならないと思いがちですが、まさに「ハチドリのひとしずく」の話と同様、自分の力ではどうにもならない問題だから何もしないのではなく、みんなが消費行動や意識を少し変えるだけで社会が変わっていくんだ、というその「ひとしずく」を見直すきっかけにレジ袋有料化がなれれば良いですね。

おっしゃる通りだと思います。環境問題は規模が大きすぎて自分事として捉えるのは簡単なことではありませんが、個々人の意識が世界を変えると信じています。

そうですね。このような意味では、環境教育は「気づき」を与えるきっかけづくりだと思います。年間5000人くらいの子どもたちが学校教育の一環で弊社を訪れてくれたり、また、年間4万人くらいの方が里山に来てくれたりするのですが、自分の出しているゴミと社会のあり方や、自分の行動が変わることで何かが変わるんだということに気づくきっかけを与えらえるのが環境教育なのではないでしょうか。

家庭教育でも、地域教育でも、みんなで大切なものを議論できる関係性があれば良いのですが、社会が非常に多様化している中で、全員が同じ目標を持つのが難しい時代になっていると思います。でも、私たちが生きていられるのは、美味しい空気をつくってくれる自然環境のおかげですよね。ひとつひとつの行動に配慮することで、気候変動の問題や、土や海の中ゴミ問題も変えていくことができると信じていますし、みんなで意識を持ってアクションを起こしていきたいという思いで、環境教育にも力を入れています。

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電気を通じて環境教育の生きた体験を

石坂産業さんは、オフィスや社宅の電気をハチドリ電力のお切り替えいただいんですよね。ありがとうございます!お申し込みの決め手となった理由は何だったのでしょうか?

最初、電力の選択というのは、非常に分かりにくいなと思っていました。自然エネルギーといっても、どこまで安心して供給してもらえるのか、それを学ぶ場がなかったので分かりにくかったんですね。

長く大切に使うというのは、持続可能な社会を作る上でとても大切ですよね。

それに対してしっかりと説明するハチドリ電力の姿勢や、Web上で誰でも分かりやすい情報を得られたことにより、不安材料がなくなりました。

特に共感したポイントがあれば教えていただけますか?

やはり「姿勢」でしょうか。ハチドリ電力はその姿勢が明確だと思います。

具体的にはどのようなところを見ていただけたのでしょうか?

収益を社会の何に使っていこうとしているかがダイレクトに可視化されていると感じました。例えば、ある団体に電気料金の1%で寄付した場合、活動報告が届きますよね。電力使用量を毎月見れるのと同じように、支援活動の様子が分かるというのは大きな魅力だと思います。自分たちの電力から何が生み出されたか常にフィードバックがあることで「参加型」の電力サービスになっているのではないでしょうか。

確かに、電気を通じてNPOなどに寄付することで、その社会課題やそれに対する団体の活動についてもっと知り、何か他にもアクションを起こす「きっかけ」にハチドリがなれたら良いなと考えています。石坂産業さんは、電気を通じた寄付先にはどちらの団体を選ばれましたか?

石坂産業さんと同じく環境教育に取り組まれている団体さんだから、ということでしょうか?

はい。やはり教育無くして地球環境を良くしていくことはできないという思いがあって。

日本は、偏差値教育により就職先が決まってしまうことも多いけれど、もっと大切なのは、想像力やクリエイティビティだと思うんです。これからグローバル社会に突入していく上で、世界を相手にしていくのなら、想像力豊かな人が必要ですが、答えの決まっている教育からこのような人を育てるというのは、非常に難しいことです。

このような意味合いでも、環境教育の体験を通して、子どもたちに自分の感性を磨いてもらいたいと考えています。

具体的にはどんな体験なのでしょうか?

例えば、生き物をかわいがることであったり、その死を目の前にして痛みを学ぶことであったり。「これをやれば、これが学べる」という答えがあるわけではないけれど、やはり個人の感性を刺激していくことが、豊かな人間性を育むことに繋がると思います。

私たちも、環境教育の活動をしていますが、遊びに来た子どもたちが覚えていってくれることというのは、何か話したことというよりも、何か食べたこと、痛かったこと、生き物と触れ合って楽しかったことなどです。このような小さな子どもたちが「必ずまた来たい」といつも言ってくれて。

確かに、小学校や中学校の時のことを思い出そうとすると、真っ先に浮かんでくるのは、授業の内容よりも、遠足や学芸会などの体験である気がします。

そうですよね。そのような体験をする場があることはとても大切ですし、これからは記憶に残るものをより豊かにしていくことがますます重要な時代になってくると思います。このような意味で、電気を通じても体験の場を支援していきたいです。

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今後、ハチドリ電力に期待することや一緒にやっていきたいことがあれば、教えていただけますか?

やはりどう発信していくかだと思います。学生さんを巻き込んでも面白いかもしれません。

といいますと…?

学校の授業の中で電力について学ぶ場というものはないので、私たちの環境教育の中に電力プログラムがあっても良いのではないかと思います。

そこでも「体験」がキーワードになってきそうですね。

はい。電気は目に見えないものだけれど、黒板で伝えるだけでなく、実際にそれをフィールドの中で体験できる機会があると良いと思います。自然エネルギーとは何なのか、火力や原子力発電との違いは何か、自分たちの使うものが地球環境にどんな影響を与えているのか、体験を通して学ぶ機会を一緒につくっていけたら嬉しいです。

そこでも「体験」がキーワードになってきそうですね。

はい。電気は目に見えないものだけれど、黒板で伝えるだけでなく、実際にそれをフィールドの中で体験できる機会があると良いと思います。自然エネルギーとは何なのか、火力や原子力発電との違いは何か、自分たちの使うものが地球環境にどんな影響を与えているのか、体験を通して学ぶ機会を一緒につくっていけたら嬉しいです。

物事の背景を考えて
日常の選択を変えてみることが大切

最後に、石坂産業さんが実現したい社会についても伺えますか?

私たちが目指しているのは「ゴミがゴミじゃない社会」です。「ゼロ・ウェイスト・デザイン」という目標を掲げているのですが、デザインというのは、単なるモノの形ではなく、コトの形であったり、ライフスタイルのあり方も全てひっくるめてデザインするという意味合いです。

それを一人でも多くの人に感じ取ってもらえる社会を作っていきたいと考えていますし、私たちは、廃棄物を埋めたり燃やしたりするのではなく、それを原料に戻したり、再生していく役割を担うパートナーになっていきたいですね。このように、廃棄物に対する社会的な見方を変えてもらえるよう、私たちはこれからも努力していきます。

一方で、そのためには、かけるお金の背景に何があるかを知る機会を作っていくことが必要だと感じています。

自分が落とすお金がどこへ行くのか考えるということでしょうか。

はい。ゴミの問題も電力の問題も見えにくいんです。日常生活の中では見えにくい製品やサービスの裏側の部分にお金をかけていくことは「エシカル消費」と言われるような倫理的な買い物の仕方に繋がります。

値段の安いものの裏側には、児童労働の問題などがあったりすると言われていますよね。宝石や洋服、コーヒー豆など。

でも、それらはモノがあるので、裏側もイメージしやすい・伝えやすい気がします。

そうですよね。モノではなく、コトだったり、全てひっくるめて物事には背景があると思いますが、その背景まで考え、私たちは日常生活をどう倫理的に選択していくか、ということを皆が考えられたら良いですよね。

でも、それらはモノがあるので、裏側もイメージしやすい・伝えやすい気がします。

そうですよね。モノではなく、コトだったり、全てひっくるめて物事には背景があると思いますが、その背景まで考え、私たちは日常生活をどう倫理的に選択していくか、ということを皆が考えられたら良いですよね。

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人間の本質といいますか、何をもって私たちは幸せを感じるか、ということを考えると、地球をどんどん破壊したい、遠くの誰かを苦しめたい、と思う人はいないはずです。けれども、知らないが故に自らの倫理的な基準で選択できないこともあります。それを可視化できる仕組みを、ハチドリ電力も、石坂産業も作っていかないといけないと思います。

ハチドリ電力としても、自然エネルギーの選択によりどんな影響を地球環境に及ぼせるか、もっと可視化していきたいと思います。

ハチドリ電力の名前の由来にもなっている「ハチドリのひとしずく」のお話にもありますが、まさに、私たちひとりひとりの行動は無駄じゃないということ、皆んなが集まればそれが大きな力になっていくと思います。

そこに参加し、その取り組みの輪を広げていくことが、ゴミでも電力でもできれば良いなと思います。ライフスタイルの中で、環境や社会に対する自分のあり方を少しだけ考え、日常の選択を変えてみることが大切なのではないでしょうか。

日常的に使う電気だからこそ、環境や社会とのつながりを考えて自分の意思で選ぶ人が増えて欲しいと願っていますし、そのためにハチドリ電力の輪をもっともっと広げていきます。インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!

プロフィール

石坂典子

石坂産業株式会社
代表取締役

1972年東京都生まれ。高校卒業後、米国の大学に短期留学。1992年父親が創業した石坂産業に入社。埼玉県所沢市周辺の農作物がダイオキシンで汚染されているとの誤報道を機に、「私が会社を変える」と父親に直談判し、2002年社長就任。「社員が自分の子供も働かせたい」と言える企業創りを目指し、女性の感性と斬新な知性で産業廃棄物業界を変革する経営に取組み“見せる・五感・ISO経営”に挑戦している。2016年日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016・情熱経営者賞」受賞。2018年日刊工業新聞社優秀経営者顕彰「第35回記念特別賞」「優秀経営者賞」受賞。平成30年度財界「経営者賞」受賞。エイボン女性年度賞2018「ソーシャル・イノベーション賞」受賞。

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