1万年先から考えてどうしたら良い地球を残せるか。ハチドリ電力で環境への貢献を日常に。 ーこゆ財団 齋藤潤一氏
まずはじめに、齋藤さんの簡単な自己紹介をしていただけますか?
こゆ財団代表理事の齋藤潤一です。生まれは大阪ですが、奈良や長崎に長く住んでいました。大学時代から再び大阪で暮らし、その後アメリカへ。シリコンバレーで5年働いた後日本に戻りました。
アメリカからそのまま宮崎県の新富町へ?
帰国後、日本全国を回る中で、耕作放棄地やシャッター通りの増加を目の当たりにしました。このような状況も含めて環境だと思うのですが、環境が変わった・悪くなったと感じました。
そのご経験が地方創生に取り組むこゆ財団の設立に繋がったのでしょうか?
直接的な契機としては、東日本大震災です。震災をきっかけにそれまで培ってきた自分のスキルや経験を社会課題解決のために使おうと思い、NPOを立ち上げ、今に至ります。
震災の際のどのような体験が齋藤さんを突き動かしたのでしょうか?
日本にいながら、道を歩いていてヘドロのにおいがしたり、道路が陥没したりしている状況には、衝撃を受けました。これらは人間が作り出したものであり、言葉にできない感情を抱きました。
齋藤さんが代表理事を務めるこゆ財団は、地域商社とのことですが、具体的にはどのような取り組みをしているのでしょうか?
こゆ財団は、稼いで地域に再投資する、宮崎県新富町の地域商社です。ビジネスの仕組みで地域の課題、社会の課題を解決するビジョンのもと活動しています。例えば、地域の特産品である一粒1,000円のライチの販売で得たお金を起業家に投資し、起業家たちに新たな事業を創造してもらっています。
地域課題、社会課題の解決とのことですが、齋藤さんご自身はどのような社会を実現したいと考えていますか?
産業と教育のバランスの取れた持続可能な社会になればと考えています。その上で、全員が当事者意識を持って、地球環境に対して、何ができるか、何に取り組んでいけるか、考えていけるのではないかと思います。まず自分たちの生活がしっかりしていて、その上で地球環境への小さなアクションを起こせるのではないかと。ハチドリ電力は、その小さな一歩をすごく踏み出しやすい形にしていますね。
こゆ財団さんの電気をハチドリ電力にお申し込みいただいていますよね。ありがとうございます!お申し込みの決め手となった理由はありますか?
純粋に、地球のためにはハチドリ電力があった方が絶対に良いと思ったからです。今ある自然環境が当たり前ではないはずですが、それを分かっている人とそうでない人では行動が違ってくると思います。ハチドリ電力はそれを伝え、アクションするきっかけになると思います。
本当にそうですよね、そんな存在でありたいです。地球のために、というお話が出てきましたが、齋藤さんが環境や自然に興味を持たれたきっかけはありますか?
アメリカから帰国後、三宅島でエコライドに参加したんです。三宅島は火山の噴火によりガスで周りを覆われているのですが、そこを自転車でまわることで地域に貢献しようという取り組みです。環境に負荷をかけない貢献の仕方ですね。これに参加したことが自分の中でもかなり大きく、豊かな自然や頑張っている三宅島の方々の姿が印象的でした。
環境への関心はもちろん、こゆ財団の地方創生にも繋がっていきそうですね。
今思えば、このエコライドがいわゆる「ハチドリのひとしずく」でした。自分が環境や地域に対して何できるか考え始めました。その後、APバンクのワークショップで環境の専門家の方々と小さな寺子屋形式で学びあう機会があり、それ以来、1万年先から考えてどうしたら良い地球を残せるか、ということが自分の考えの根底にあります。
素敵な考え方ですね。環境問題に対して、齋藤さんご自身が取り組まれていることはありますか?
自分にできる環境への取り組みとしては、事業を通じて地域の産業・経済を活性化させることが、風景を守ることにそのまま繋がると考えています。その上で、ハチドリ電力の仲間に加わることで、少しだけれど、更に環境への貢献ができれば。
風景を守ることにそのまま繋がる事業とは…?
環境問題、環境問題とはあまり考えていなくて、自分は人を育てることで地球環境に貢献しているし、貢献したいと思っています。例えば、こゆ財団のある宮崎県・新富町にはウミガメが産卵に来るのですが、移住してきた人それを撮影して発信しています。これも環境問題への行動ですよね。自分はそれを伝えるインフラになりたいと思います。
環境、環境と意識せずとも、事業を通して地球への貢献に繋がっているんですね。
環境問題への取り組みは、自分も含め、みんな既に沢山やっていると思うんです。ペットボトルと缶をきちんと分別するだけでも立派な環境への取り組みですよね。このような日常的なこととして、町中ハチドリ電力になれば良いなと思っています。
そんなことを言っていただけて嬉しいです。
「何か環境への取り組みしてる?」と聞いて、「そういえばハチドリ電力使ってる!」くらい気軽なものになれば良いと思います。
そうですよね。環境への取り組みがもっと敷居の低いものになれば… ハチドリ電力では、電気代の1%を社会のために頑張る人や団体に寄付できる仕組みになっていますが、支援先としてはどちらを選ばれたのでしょうか?
うーん、覚えていないです。ちょっと申し込み完了メールを確認しますね….. あ、 全ての団体を支援しているようですね!
齋藤さんにとってハチドリ電力を使うことは、良い意味で全く特別なことではない、ということでしょうか。どの団体さんも素敵な活動をされているので選ぶのも簡単ではないですし。
実は、ハチドリ電力へ申し込むか否かは現場に委ねたんです。自分が指示した訳ではなく、現場のメンバーが料金シミュレーションをして、彼ら自身が考えた上で「ハチドリ電力が良さそうなので申し込んだ」という連絡が来ました。だから自分はどの団体を選んだのか知らなかったのですが、彼ら自身が考えて申し込んでくれたことはとても良かったのではないかと思います。
単に上の指示だからという訳ではなく、現場の方がじっくり考えてお申し込みいただいたんですね。嬉しいです…!
自分自身の考えとしては、環境問題を含む社会課題を1人で解決しようとすると何十年も何百年も時間がかかってしまいます。自分の場合は、1人で新規プロジェクト行うのではなく、地元の人と一緒に地域のプロジェクトに取り組み、人材を育成しています。これはまさに「ハチドリのひとしずく」の考え方にも通じますよね。
本当にそうですよね。1人1人の力は小さくても、一緒により良い社会のために当たり前のように取り組んで行けたらと思います。インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!
プロフィール
斎藤 潤一
特定非営利活動法人まちづくりGIFT
代表理事
1979年大阪府生まれ。米国シリコンバレーのITベンチャーで勤務後帰国。東日本大震災を気に「ビジネスで地域課題を解決する」を使命に、地域の仕事づくりや人財育成に取り組む。2017年からは宮崎県新富町役場が設立した地域商社「こゆ財団」の代表理事も務める。MBA(経営学修士)/スタンフォード大学 Innovation Master Series 修了/慶應大学非常勤講師
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