優しさを未来に残すために。株式会社名優が選び続けること

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株式会社名優さま

  • 専門商社
  • ~100名

「自分の家族や友人にも、使いたいと思える医療機器を」。そんな想いを掲げ、海外の優れた医療機器を、日本の医療現場へ届けている会社があります。株式会社名優です。
代表を務めるのは、山根優一さん。お話を伺うなかで、いちばん印象に残ったのは、目の前の人を想うやさしさでした。困っている人がいたら、助けたい。売れるものではなく、本当に必要なものを届けたい。そんな山根さんが、何を大切に、この仕事に向き合っているのか。その奥にある想いを伺いました。

売れるから売るんじゃない

名優は、どんな医療機器を届けているのでしょうか?

名優は、主にアメリカやヨーロッパから医療機器を輸入し、日本では製造販売業者として病院やクリニックへ届けています。特徴は、海外では当たり前に使われているのに日本ではまだ普及していないもの。これを広げることに価値があると思っているんです。

大事にしているのは、「売れるから、売るんじゃない」ということ。流行っているから売れる製品は、医療業界にもあります。でも、そうじゃなくて。自分の大切な家族や友人が手術を受けるなら使ってほしい。そう思えるものだから広める。その感覚は、創業者である私の父の代から、ずっと大切にしています。

すぐには広がらない製品にも、取り組まれるのはなぜですか。

すでに市場ができていて、あとは届けるだけの製品であれば、うちより何倍も規模が大きい大企業が販売した方が効率的ですよね。そういう製品は、その会社がやってくれればいいんです。

でも、なかには、市場が小さかったり、海外と日本の事情が違いすぎて、広めるのに時間がかかるものもある。すぐには、売上にならないかもしれない。それでも、絶対に必要で、求めて喜んでくれる患者さんがいるならやろうよ、と。

大企業には、大企業の強みがある。名優には、名優の役割がある。まだ広まっていないものを、時間がかかっても届け続ける。それが、名優の役割だと思っています。

 

製品だけでなく、土壌をつくる

名優さんでは再生処理の課題にも向き合っているんですね。

 

はい。一度使った医療器材を、次の患者さんにも安全に使うには、洗浄や滅菌の工程で、きちんと品質を担保する必要があります。それを「再生処理」といいますが、実は、日本の再生処理は、世界に比べると遅れているんです。

これは構造的な課題で。たとえばオランダでは、過去に感染で患者さんが亡くなったことをきっかけに、国が動いて法律や基準が整備された。きちんと再生処理をしないと、病院が経営できない状態に制度としてなっている。でも、日本では、そういう規制がほとんどない。しかも、再生処理をしても、病院にとっては診療報酬がつかない。つまり、ちゃんとやろう、というインセンティブが、生まれにくいんですね。

そこで、再生処理に使う製品群を「SALWAY(サルウェイ)」という一つのブランドにまとめました。「日本の再生処理を『再生』する 」というコンセプトを掲げたブランドです。

SALWAYは、どんなふうに、生まれたんでしょうか。

きっかけは、2021年、コロナ禍でした。医療業界では、学会での展示会が、製品を紹介する大事な場だったんですけど、それが一斉になくなってしまって。そこで、何か新しいことができないか、と思っていたときに、いちばん遅れていて、なんとか変えていきたいと思ったのがこの再生処理の分野でした。

ただ、製品を届けるだけでは変わらないんですよね。再生処理の重要性を知ってもらって、病院が予算をつけて取り組める。そういう土壌を、つくる必要がある。だから、SALWAYを通じて「製品を売る会社ではなく、業界を良くしようとしている人たちだ」と、受け取ってもらいたかったんです。

そう思ってもらえると、同じ業界でも「一緒に、再生していきましょう」と言える関係が生まれてくる。たとえば、再生処理を代行する企業と組んで、滅菌の難しい器材の適切な再生処理の方法をまとめて検証して、全国の現場へフィードバックする。名優だけでは難しいことも、立場の違う会社と一緒ならできることが増えていくんです。

その手応えが、会社全体にも、広がっていったそうですね。

そうですね。SALWAYをやってみて、「やりたいことを実現する手段として、ブランドってすごくいいな」と、手応えを感じたんです。それで、名優という会社全体もあらためて見つめ直そう、と。2026年には、「日本の医療現場をアップデートする」という新しいミッションを掲げました。

正直、お金を稼ぐだけなら、今は一人でもできる時代です。じゃあ、会社で働く意味って何かというと、自分一人では生み出せない価値を生み出すこと。そして、同じ想いに共感する企業と共創することで、一社ではできないことができるようになる。それが、いちばんの醍醐味だと思っています。

困っている人がいたら、助けたい

名優には、どんな人が集まっていると感じますか?

 

共通しているのは、困っている人がいたら助けたい、と思っている人が多いこと。自分だけよければいい、という人はちょっと馴染まない会社だと思います。

たとえば、製品を出荷するときのダンボール。テープを最後までぴったり貼らず、内側へ少し折るんです。そうすると、受け取った人が開けやすい。ほんのひと手間ですけど、そういうことが文化になっている。

問い合わせをいただいて、うちの製品では解決できないときもあります。そんなとき、別の会社の製品でも「あそこのこれなら、いいかも」と思えば紹介する。指示されてやるというより、困っているなら何とかしたい、という感覚なんだと思います。

その文化を、山根さん自身も、感じた瞬間があったんですか。

ありましたね。僕が名優に入って、最初の3カ月、いろんな部署を回っていたときのことなんですけど。ある夜地震があって、翌朝出社したら、アルバイトの方が倉庫の棚を、荷崩れがないか全部チェックして整理してくれていたんですよ。 誰かに言われたわけでもなく。

すごく主体性を持って、自分から動いている。それを見たときに「ああ、いい人たちが集まっている会社だな」って、感動したんです。こういう人たちと働けるのは、幸せなことだなと思いますし、僕自身もその一員でありたいなと思っています。

電気も、選べるものだった

ハチドリ電力は、どんなきっかけで選んでくださったのでしょうか。

 

自然エネルギーという言葉は知っていましたが、正直興味はなかったんです。引っ越したときも、電気を何にするかなんて特に考えていませんでした。

そんなとき、ハチドリ電力に関わる方から動画を共有してもらって。「日々の消費で何を選ぶかも、意思表示になる」。その考えに、すごく衝撃を受けたんです。実は、名優が目指しているところも同じで。もちろん、製品の性能で選んでいただくのも嬉しいですけど、それだけじゃなくて 「この人たちの思想に共感して、応援したい」と思ってもらえる存在でありたいんですよね。

 

電気も、その「選ぶもの」の一つだった、と。

そうなんです。それまでは、自分がどこと電気を契約しているかも、すぐには思い出せないくらいで。「選ぶもの」だと思っていなかった。それが、自分で選択できるんだ、と気づいたことが大きかったです。それで世界が少しでも良くなるなら、いいほうを選んだほうがいいじゃないですか。 

優しさを、未来に残したい

山根さんが、大切にしたい社会のあり方を教えてください。

幸せのひとつは、自分で何かを選択できることだと思うんです。どこに住むか、誰と一緒にいるか、何をして働くか。僕自身、いろんなことを選べるほうだと思っていて。だからこそ、選べない人がいたら、それを返していかなきゃいけない。今の自分があるのは、自分だけの力じゃなくて、両親や周りの人たちがいてくれたからなんです。

名優が掲げているのも、「患者と医療者、双方に優しい医療」です。患者さんを思うあまり、医療者が倒れてしまっては意味がない。逆に、医療に関わる会社が儲けることだけを考えても意味がない。両方が幸せであることが大事で。環境を守ることも、働く人の生活を支えることも、どちらか一方だけでは続かないですから。その両立ができている取り組みには、やっぱり共感しますね。

最後に。未来に残していきたいものを、教えてください。 

優しさ、ですね。たとえば、おばあちゃんに、小学生が「どうぞ」と席を譲る場面を見ると、心がほっこりする。あの感覚は、きっと多くの人に共通するものだと、僕は信じているんです。

いま優しくなれない人にも、その人なりの事情があるのかもしれない。それでも、人はみんないい人だと信じていたい。自分が生まれる前よりも、世界がちょっとでも良くなっているように。名優としても、僕自身の人生としても、人を想う優しさを、残していきたいですね。

 

取材のなかで、山根さんが、ふと教えてくれた言葉があります。「ノブレス・オブリージュ」。白洲次郎も大切にしていた言葉で、「与えられている人は、それを還元しなければならない」という考え方です。 自分はいろんなことを選べるほうだから、選べない誰かがいたら、返していきたい。そんな言葉からも、山根さんが大切にしている生き方が伝わってきました。

もうひとつ印象に残ったのは、「性善説でいきたい」という言葉。ときには、その考えから外れる人もいる。それでも、人のいちばんいいところを、信じていたい。その姿勢こそ、山根さんの、やわらかな優しさの根っこにあるものなのだと思います。 

選べるものが増えた時代だからこそ、何を選ぶかだけではなく、誰を想って選ぶかにその人らしさが表れるのかもしれません。 

 

株式会社名優

千葉県八千代市を拠点に、欧米の優れた医療機器を輸入し、日本の病院・クリニックへ届けている医療機器メーカー。「自分の家族や友人にも、使いたいと思える医療機器を」を大切に、まだ日本には広まっていない、けれど本当に必要とされる製品を扱っている。医療器材の再生処理の重要性を伝えるブランド「SALWAY(サルウェイ)」も展開し、「日本の医療現場をアップデートする」ことを目指している。

https://meilleur.co.jp

 

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