日々のお買い物にフェアトレードという選択肢を。ーフェアトレードショップきらら 平井直子さん
フェアトレードショップきららさんはどんなお店なのでしょうか?
インドなど主にアジアの国からのフェアトレード商品を販売しています。扱っているのは、手作りのお洋服や雑貨などです。現地にパートナーのNGOがいるのですが、フェアトレード認証された団体の商品をセレクトして紹介しています。
どのような経緯でお店を始められたのでしょうか?
私自身、現地へ行って感銘を受けてフェアトレードに取り組み始めたわけではないんです。
ではどんなきっかけでフェアトレードにご関心を…?
環境問題にはもともと関心があったのですが、ある時、リユースの封筒が送られてきて。これは良いなと思い、販売元を調べたところ、フェアトレードブランドのお店でした。そこで、お店のカタログを申し込み、それを見て個人で卸せるか問い合わせたんです。
ええ、いきなりすごい行動力…!
ものとしてはチープだったけれど、手作りのあたたかさを感じ、自分でも欲しくなったんです。これを機に、フェアトレードの理念を初めて知りました。2003年当時の日本でのフェアトレードの認知度は2%程度だったため、もっと多くの人にフェアトレードを広めたいと思い、勢いでこのお店を始めました。
当時の認知度はそんなに低かったんですね。
はい。そこで、買い物の選択肢を増やしたいと考えて。私自身、このような出会いをするまでフェアトレードという選択肢を知らなかったのですが、この選択肢が当たり前になるようにお店を続けていきたいと思います。
商品をセレクトする際に、特にこだわっていることはありますか?
一般のお客様のニーズにあったものを選ぶようにしています。お客様の年齢層は比較的高めなので、ゆったりした着心地のものだったり、素材がしっかりしているものを好まれることが多いです。
その中でも、一押しの商品は何でしょうか?
やはり手作りのお洋服でしょうか。手刺繍や、ブロックプリントなど、日本国内ではなかなかできない、手仕事の技が光る商品です。
手作りの商品、あたたかさがあって素敵ですよね。ズバリ、きららさんのコンセプトは何でしょうか?
ゆっくり小さく続けることですね。お客様が来年来てくれた時にお店があるように頑張っています(笑)続けていくことが、フェアトレードを知ってもらうためには大切だと考えていて。取引先がなくなってしまうのは、生産者のことを考えた時にも、最も避けなければならないことですよね。
続けることが生産者にとっても大切ですよね。きららさんをはじめとする全国のフェアトレードショップが協力してクラウドファンディングを行なっていると伺いましたが、こちらも何とかお店を続けたいという思い生まれたのでしょうか?
はい、現在、50以上のフェアトレードショップで協力して、クラウドファンディングを行なっています。私たちも新型コロナウイルスの影響で休業や短縮営業を余儀なくされましたが、そんな中でもやはり途上国に暮らす生産者のことが心配でした。
コロナの影響で売り上げはもちろん落ちてしまったのですが、この業界では1年前に生産者に発注しているので、今年売れないからといって買わないわけにはいかないんです。春服が売れなくても買い取らないと、生産者に還元できなくなってしまいます。
途上国では、コロナの影響で食べることもままらない人が増えてしまっているという話も聞きました。
はい。そこで、生産者が安心して暮らすために、これからも生産者を支えるために自分たちにできることは何か考えたのですが、やはりその答えは、今ある商品を売って彼らの仕事を守ること、フェアトレードを広める全国のショップが元気でいることだと思いました。
本当にそうですよね。クラウドファンディング、応援しています!
ありがとうございます。
きららさんは、フェアトレード商品の販売だけでなく、コミュニティーツーリズムや心理カウンセリングも行われていると伺いましたが、こちらはどのような経緯で…?
カウンセリングに関しては、うちは小さなお店なので、お客様と密なお話ができるんです。そこでもっときちんと話を聞きたいと思い、勉強し、カウンセリングを始めました。
コミュニティツーリズムに関しては、地域活性化のためにやっています。うちのお店は世界遺産の法隆寺の近くにあって。あとは、行政と協働で、地域猫活動なんかもやっています。
本当に多岐に渡る活動をされているのですね。それぞれに共通するものはあまりないように感じるのですが…
フェアトレードや国際協力の業界って、それが好きな人・興味がある人だけが集まりがちだと思うんです。でもそれだと、その人たちだけのためのお店になってしまうので、違う視点を持つことも大切だと思っていて。足を伸ばして色々な活動をしています。
なるほど。フェアトレードを広めるには、様々な方にこの選択肢を知っていただく必要がありますよね。
そうですね。色々なお客様がふらっとお店に入ってきて、商品が素敵だから買ってくれて、結果としてその商品がフェアトレードだと知ってくださり、関心を持っていただけるといいなと思います。
ハチドリ電力は、地球温暖化に歯止めをかけるべく、実質自然エネルギー100%の電気をお届けしているのですが、環境問題に対して、平井さまご自身またはお店として、何か取り組んでいらっしゃることはありますか?
お店としては、始めた当初から、過剰包装をしないようにしています。また、ビニールなど自然に返らない素材をラッピングに使わないようにしたり。
20年弱前からですか。素晴らしいです…!
個人としては、エコバックを使うことくらいでしょうか。あとは、環境負荷が少ないものを常に選ぶように心がけています。
日常の心がけが大切ですよね。そんな中で、ハチドリ電力へお切り替えいただいた理由は何だったのでしょうか?
以前から新電力への切り替えは頭にありました。ただ、どの電力会社にするか、決定打はないという状況で。「ハチドリのひとしずく」のお話は元々知っていたので、コンセプトに共感し、ハチドリ電力に申し込みを決めました。
そうだったんですね。嬉しいです…!
自然エネルギーということで、今より電気料金が高くなっても、環境のためなら仕方がないかなと考えていたのですが、シミュレーションをしてみたところ、これまでと大きく変わらなかったため、驚きました。この料金で、環境に優しく、さらに電気を通じてNPO等の活動に寄付できるのは魅力的ですね。
電気料金の1%で支援する団体には、どちらを選ばれましたか?
認定NPO法人かものはしプロジェクトさんです。私たちの商品の生産国・インドで活動されている団体さんですし、人身売買や性的搾取など女性の立場が日本よりずっと低いと聞いていて。以前、かものはしさんの活動をSNSで知って、応援していました。電気を通じてもここを応援しようと思いました。
そうだったんですね。以前から知っている団体さんを、電気を通じて応援できるのは嬉しいですね。
一人一人の寄付は少しだけれど、電気という皆が使うものを通して、大きな金額を社会のために集められるこの仕組みは素晴らしいと思います。
ありがとうございます。この仕組みを広められるよう、邁進していきます!最後に、平井さんご自身は、どのような社会にしていきたいとお考えか、教えていただけますか?
当たり前のことかもしれないけれど、誰も取り残さない社会、そして持続可能な社会にしていきたいです。日本でも海外でも、社会から弾かれてしまった人がたくさんいます。そういった人たちが社会の真ん中でいきていけるように。
そんな社会の実現のために私たちひとりひとりにできることは何なのでしょうか?
まずは関心を持つことだと思います。フェアトレードでも何でも、知ることからしか始まりません。何だろうと思って立ち止まり、自分ごととして考えることが大切ですよね。環境問題も社会課題も、意識の高い、余裕のある人しか関わらない世界ではなく、多くの人が自分ごととして捉えていってほしいと思います。
本当にそうですよね。ハチドリ電力では、電気の提供だけでなく、環境問題や社会課題について発信することで、より多くの方にまずは関心を持っていただきたいと考えています。インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!
プロフィール
住所:奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺西1-3-40
世界遺産法隆寺の近くのフェアトレードショップです。ゆっくり小さく続けるのをコンセプトに、フェアトレードが当たり前の選択肢になるように、主にアジアの手仕事のお洋服や雑貨をお届けしています。
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