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認定NPO法人 難民を助ける会(AAR Japan)
2020/10/04
ミャンマー:コロナ緊急支援でクリニックや学校に衛生用品を配布
ウジー村クリニックに衛生用品を配布。右端は看護師のドウ・ズィン・ミン・ラッさん。左から2名がAARパアン事務所スタッフ (2020年9月8日)

AAR Japan[難民を助ける会]のミャンマー・パアン事務所は、タイと国境を接する同国東部のカレン州で、「地域に根差したリハビリテーション(Community Based Rehabilitation:CBR)」事業を実施しています。AARのサポートで設立されたCBR委員会が中心となり、障がい者が暮らしやすい地域づくりを進めています。新型コロナウイルス感染拡大の影響はこの地域にも及んでおり、AARは同委員会メンバーの学校長や教員、助産師やヘルスセンターのスタッフに聞き取りを実施したうえで、衛生用品などが不足しているクリニック6ヵ所と高校2校に支援物資を配布しました。

衛生用品の価格が高騰

カーレイユアジー村クリニックで助産師として勤務するドウ・ナン・ウィン・イーさんは、母子や青少年の患者を担当しています。地域住民はコロナ感染拡大を恐れている一方、マスクや消毒用ハンドジェルなどの衛生用品の価格は高騰しています。この地域では多くの村人がゴム農園で働いていますが、感染拡大の影響で仕事が滞っており、衛生用品を買う余裕のない人たちも少なくありません。そこで、他の助産師と協力して、マスクのない患者のために布製マスクを手作りしていたそうです。

AARはコロナ対策支援として、このクリニックにマスクやハンドジェル、体温計を届けました。ドウ・ナン・ウィン・イーさんは、「いただいた非接触型体温計は計測時間が短く、検温の時間を短縮できます。マスクを縫う必要がなくなったので、本来の業務に集中できて、とても助かります」と話してくれました。

AARが配布した非接触型体温計で検温するカーレイユアジー村クリニックのドウ・ナン・ウィン・イーさん(2020年9月3日)

ウジー村クリニックの看護師、ドウ・ズィン・ミン・ラッさんは、「コロナ感染拡大の影響で、毎日24時間体制で対応しなければならず、非常に厳しい状況です」と話しました。村の検疫所では、海外や感染拡大地域から戻ってきた地域住民を隔離し、検査を実施しています。看護師は検疫所に滞在している人たちの検温などの体調管理を任されているだけでなく、地域住民に対してマスクの使い方や手洗い方法など、感染症に関する啓発をしなければなりません。

衛生用品を届けたクリニックのスタッフからは「マスクをせずにクリニックに来院する患者も多く、AARから配布されたマスクが役立っています。また、適切な手洗い方法を知らない地域住民が多いためハンドジェルは診療に欠かせません。大変感謝しています。コロナウイルスに関する衛生啓発活動も実施してもらえれば」との期待も寄せられました。

ウジー村クリニックに支援物資を配布。左から4名がクリニックのスタッフ、右2名はAARスタッフ(2020年9月8日)

学校に簡易手洗い設備を設置

ミャンマー国内での感染者数急増を受けて、ミャンマー教育スポーツ省基礎教育局は、8月末から全国の高校の一時休校を決定しました。小学校・中学校は既に休校となっており、再開の時期は未定ですが、学校の閉鎖中も教員は学校で待機しています。ウジー高校のウ・シュエ・マン校長は「学校の集会所が検疫所となっているため、感染拡大を恐れています」と話しました。教室数が多く、手洗い場が足りないとの要望を受け、AARは簡易手洗い設備を各教室の前に設置しました。また、生徒用の石けんやハンドジェルを配布しました。校長は「政府から支給された衛生用品は十分ではなかったため、AARに衛生用品を支援していただき、生徒を迎える準備ができました」と喜んでくれました。

ウジー高校で教室前に簡易手洗い機(中央)を設置。AARパアン事務所スタッフのナウ・テイ・テイ・ニイィン(2020年9月8日)

パアン事務所では引き続き、この地域のクリニックや学校への衛生用品の配布、手洗い設備の設置を進めてまいります。また、支援物資を配布した地域で、学校の生徒や障がい者とその家族を対象に、感染症に関する衛生啓発活動を実施する予定です。AARの新型コロナウイルス緊急支援へのご協力を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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